日記・巡礼メモ– category –
珈琲巡礼の旅ログ・日記
-
日記・巡礼メモ
石の噴水に、湯気が立ちのぼる|横須賀コーヒーフェスティバル巡礼録
石のかたまりを組んだ噴水は、季節の冷えをそのまま抱えている。水面は薄く、空も薄い。けれどテントの列へ近づくほど、世界は少しずつ“あたたかい方角”へ傾く。 紙カップのふちに触れる指先、カップを渡すタイミングの呼吸、粉が湯を受けて膨らむ音のない... -
日記・巡礼メモ
街の息を揃えるあいだ(HandMade In Japan Fes〈HMJ〉2026冬)
東京ビッグサイトの西ホールへ向かう動線は、朝の光と一緒にゆっくり膨らんでいった。入口付近の大きなサイン、足元に反射する床の冷たさ、そこを埋める人の流れ。ハンドメイドのイベントは、作品そのものより先に「作り手の時間」が空気に滲む。今日は“買... -
日記・巡礼メモ
ベリーのジャム、ダージリンの静けさ|nano-coffeeroasterのドリップパック案内
nano-coffeeroasterは、その瞬間を狙い撃つようにエチオピアだけを焙る。産地を広げる代わりに、同じ国の中のテロワール(育った土地の個性)と、精製(つくり方)の差分を掘り下げていくスタイルだ。一杯のなかに「花」「果実」「発酵」「紅茶」が同居す... -
日記・巡礼メモ
天秤の焙煎がほどく休息|LIBRA COFFEE SHOP のブレンド便
イベント会場の空気は、たいてい少し乾いている。人の声、遠くで鳴るアナウンス。そういう“ざわめき”がひとつの天気みたいに流れている。 そんな中で、LIBRA COFFEE SHOP の前だけ、香りがゆっくり歩いているように感じた。掲げられていた言葉は、まっすぐ... -
日記・巡礼メモ
太陽の国から、概念を揺らす一杯——HMJで出会ったlala una coffee
会場のざわめきの中で、ふいに足が止まった。香り、ではなく——言葉が先に立ったからだ。 「『美味しい』の先にある『面白さ』を。」この一文は、コーヒーを“好き”で終わらせない。飲み手の側に、小さな責任と好奇心を同時に置く。かつて世界を席巻し、歴史... -
日記・巡礼メモ
果実の影を飲む:BIKAS COFFEEの豆と、チェリーシロップの小さな旅
甘い、苦い、香ばしい。コーヒーの感想はいつもそこに着地する。けれど BIKAS COFFEE は、そこから一歩だけ先に連れていく。 ネパールの山奥、アグロフォレストリーで育つ希少で上質な豆。その流通を健全化し、雇用支援も含めた循環を目指して生まれたコー... -
日記・巡礼メモ
余白を買いに行く — SCAJ2025で見つけた、道具と味と静かな熱
SCAJ2025の会場に足を踏み入れた瞬間、そこは「賑やかなイベント」というより、コーヒーという文化を編集中の空間のように感じられた。 派手な呼び込みより、静かな説明。強い主張より、選ばせる余白。 歩くたびに、「飲む」よりも「考える」ためのコー... -
日記・巡礼メモ
冬の中庭をコーヒーで満たす日。Tokyo Coffee Festival 2025冬レポート
国連大学前の中庭に着いたのは、開場まもない時間だった。白いテントがいくつも並び、真ん中には丸いスタンディングテーブルと黒いスツールがぽつぽつ置かれている。まだ誰も腰を下ろしていない椅子。湯気の代わりに、冷たい風だけがテーブルの脚をなでて... -
日記・巡礼メモ
寺の境内でコーヒー巡礼をした日 ─ 川越コーヒーフェスティバルVol.10記録
冬の澄んだ空気の中、川越コーヒーフェスティバルの看板が朝の光を受けている。まだ人影のまばらな境内に、スタッフの声と準備の音だけが響く。 受付でリストバンドを受け取る。「今日はここから、10杯の物語を集める」そう心の中でつぶやいて、最初の...
1