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 珪藻土の”UFO”で湧き水を落とす — 天真庵の一杯{すみだコーヒーフェス2025} 

 白い円盤の器が揺れ、会場のざわめきの上で水の糸が静かに落ちる。
一口めはスッキリ、冷えてもまったり、余韻は長い–ブースの木札に書か
れた言葉どおりの後口が続く。ここはUFO珈琲〈天真庵〉。珪藻土で焼い
た特製のUFO器と、湧き水そして炭火の理に発想を得た焙煎談義が芯にあ
る。

第一章 UFOの正体 –珪藻土と”中まで焼く”

 能登地震で大きな被害を受けた石川県・珠洲の珪藻土で作った〈UFO焙煎器〉が、
天真庵の焙煎の核だ。
店主は語る。
  「 いい豆を使って中まで焼く。そのために珪藻土を使うんだよね」
 ガスの湿り気を避け、炭火のような輻射熱(遠赤外線)で芯まで火を入れる思想。
熱風を直接当てず、やわらかい熱で包み込むように焼く。

 豆そのものの”銘柄“に固執しない。「豆にはあまりこだわりは無い」
と店主。要は良質な豆を選び、新まで火を入れて甘さとコクを引き出すこと。
会場に並ぶ白い器–それが、この店の哲学の形だ。

第二章 一滴一滴の冷静さ ーー “水出し=ダッチ”

 イベント会場で飲んだのは工程の効率を考えたペーパードリップ。実際の店舗で出され
ているのは”水出しのコーヒー“。
店主いわく
 「一滴一滴の水出し。ダッチともよぶけれど、日本人が育てた抽出文化だと思う」と
のこと。中まで焼いた豆のコクを、低温の抽出でしっとりと引き出す。
雑味を寄せ付けず、舌に長い余韻を残すのが狙いだ。

第三章 所作メモ ーー 器とネル、紙のちがい

 本来はネルドリップでも提供するが、会場では都合によりペーパーを使用。

  • 焙煎器:珪藻土成形のUFO器(店主考案)
  • 抽出:ネル=粘度と丸み / ペーパー=やや軽快。
  • 豆傾向:看板は「ほぼブラジル」、浅すぎない焙煎でコクと余韻を重視。
     ※数値は非公開。

第四章 ここでしか出せない余韻 ーー 一滴一滴の説得力

 湧き水を使用して一滴ずつ落とす水出しが、珪藻土焙煎の”中まで焼いた“厚みを
そのまま冷やす。
 最初の一口はすっきり、すぐに舌にとろみ、静かな甘みが長く残wる。
足すのは黒糖ひとかけらで十分。ここだけの味わいは、余白のなかでいちばんよく
響く。

第五章 ペアリング ーー 黒糖の余韻

 店主の推しは黒糖。
 コクの骨格が合わさり、冷めてからの旨甘い後味が長く伸びる。
 果実系ケーキより、素朴な甘味が好相性。
※画像はイメージです。

第六章 会場で選ぶなら ーー “まずは看板、次に比較”

  • 1,本日のおすすめ:UFO珈琲(ほぼブラジル) / Washed
      ひと口めはすっきり、人肌に冷めてもまったり、余韻は長め。
  • 2,飲み比べの一杯:同銘柄
      器や提供温度の違いで粘度と余韻を確かめるのが楽しい。

喫茶叙景文 ~土と湯気と円盤~

  白い円盤の口から、音もなく水が落ちていた。

 湯気のない抽出は、むしろ香りを遠くまで運ぶ。

 人の流れが途切れても、器は同じ速度で働き続け、

 一杯の濃度に土と火の記憶を静かに沈めていく。

 黒糖をかじれば、余韻はさらに長くなり、

 それでも杯は軽い。名はUFO。名のとおり、

 見上げた先の静けさを、手の中に下ろしてくる。

基本情報

1住所:

東京都墨田区文花1-6-5。

2アクセス:

東京メトロ / 都営 「押上駅」から徒歩約10分。

3営業時間:

平日:12:00-18:00
休日:12:00-16:00
定休日:水・木 曜日

4備考:

そば提供日あり。営業は変わることがあるため来店前に確認を。

5公式サイト:
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