白桃と金木犀の余韻を連れてーー LATTESTの”ピーチ・インフューズド”体験｛すみだコーヒーフェス2025｝

　隅田川沿い、風の通り道に小さな抽出台が並ぶ。白いフィルターが二つ、
湯気を上げ、粉の丘に雨が降る。- 看板には｛LATTEST｝。ブースに飾られた、
小さなカードには、産地の名と物語。ミルクに寄り添う深いブレンドと、
果実の輪郭を立てるシングル。スポーツと街とコーヒーを結ぶ店は、野外でも
“いつもの一杯“の重心を崩さない。

Contents

第一章　今日の主役は”白桃と金木犀”
第二章　”特徴を最前線に” ー焙煎と抽出の所作
第三章　家で近づけるための”まずはレシピ”
第四章　甘みの相棒ーペアリングノート　
第五章　買うならこの二本
喫茶叙景文
基本情報
坂戸駅の家庭料理ワンプレートランチ　「Caffe えん」
犬と子どもと大人が交差する、住宅街の小さな広場志木「cafeらふ」
茂みから現れたねこと、実家みたいなごはん屋さん坂戸「和カフェ蒼いねこ」

第一章　今日の主役は”白桃と金木犀”

　テイスティングボードの上段に。今日のおすすめ。
コロンビア Juan David Puerta -　Peach Infused。
味わいは白桃、金木犀、アプリコット。余韻は長く、香りが静かに戻ってくる。
飲み比べにはボリビア Carmelo ＆ Desyi（Washed）。オレンジ、ブラックティー、
サトウキビ。抽出台のガラスに朝の光が当たり、柑橘の影が揺れる。

　　「ブレンドは4つのお豆を深煎りで。ミルクにも合うようバランスよく、
　　　どなたでも飲みやすいものを意識しています。」

　店の定番”LATTEST BLEND“は、深めとコクでラテに芯をつくる一方、ハンド
ドリップのシングルは果実の表情を正面に据える。屋外の一杯でも、舌の上に
きれいな層が立つ。

第二章　”特徴を最前線に” ー焙煎と抽出の所作

　　「焙煎は豆ごとに。一番の特徴、フレーバーや華やかさが出るように意識しています。」

　抽出台にはドリップセット、秤とケトル。落とす手つきは静かで、
湯線は細い。　粉床の中心に置いた一点が、同心円を描きながら息をする。
大切なのは、豆の個性に騒がないこと。　香りを立てて、苦味や渋みのノイズが手前に
出ないよう、湯量と間合いを保つ。　そんな”控えめな介入”が屋外ブリューの環境差を
超えて、カップに滑らかさを残す。

第三章　家で近づけるための”まずはレシピ”

　　「私たち、豆にはレシピを付けています。まずはそれに沿って。挽き目
　や量も、スタッフに聞いてもらえばお答えします。」

　豆と一緒に渡されるレシピに従う。挽き目・湯量・時間はまず店基準で固定。
分からなければスタッフに遠慮なく訊く。ー「挽き目は？湯温は？」
その上で微調整。
　ー “無理をしない“ことが、LATTESTのカップに近づく最短路だ。

第四章　甘みの相棒ーペアリングノート　

　　「ベリー系のテイストならチョコレートとよく合います。お店でも
　　チョコレートクッキーを出しています。」

　白桃と金木犀のカップには、甘さ控えめのチョコレートクッキーを。ボリビア
のブラックティーの余韻には、カカオ分高めの板チョコを割って。ラテの日は、
ナッツ入りの焼き菓子でコクを重ねる。屋外のベンチでも、口の中に”二層の甘み“
がきれいに残る。
※画像はペアリングイメージです。

第五章　買うならこの二本

１.COLOMBIA Juan David Puerta（Peach Infused）
　＝フェスの主役。香りの立ち上がりと長い余韻が印象的。まずは会場と
　　同じ淹れ方で”基準の一杯”を作りたい。
２.BOLIVIA Carmero ＆ Desyi（Washed）
　＝　オレンジと紅茶の清潔感。家飲みの常連にしやすい一本。
　　　チョコレートクッキーやナッツと好相性。