スカイツリーの風下、会場の一角だけが春色だった。ピンクのクロス、
白箱のギフト、やわらかな急須。テーブルに置かれた紙コップから、熟れた
果実の湯気が立つ。 ーー ou.bai.tou.ri(桜梅桃李)。比べず、固有の色合いの
ままに。今日は、その”色“を口に運ぶ。
第一章 ”SKY PROJECT Verve”ーー 本日の一杯
本日の看板はEthiopia SKY PROJECT Verve(TIM Natural / TBrC2023#1 Process)。
味わいの軸はマスカットや巨峰、トロピカルフルーツ、ロゼワインの連想。スタッフの
背景を補う。
「 もともと台湾のブリュワーズカップで優秀したエリックさんのロットの
味そのままを、ニュークロップでお届けしています。」
浅煎りでありながら輪郭ははっきり。甘さが先行し、酸が冷めるほど瑞々しさを増す。
華やかだが、浮つかない。ブースを覆うピンクの”世界観“が、そのまま液体に変わったようだ。

第二章 ”触れない”という設計 ーー 浸漬式
抽出の思想は徹底してやさしい。
「ドリップは誰でも簡単に淹れられるように、浸漬式をオススメしています。
今日はフライパンで抽出しています。4分間”漬けて待つ“だけです。」
浸漬式の一例
- 触れすぎない:注いだら4分間は何もしない。撹拌も揺らしも最小限。
- 温度は高め:家庭では沸騰直後
- 落とすだけ:タイマーが鳴ったら落下開始。過抽出を招く余計な操作はしない。
”何もしない勇気“が透明感を担保する。人の手数が減るほど、豆の個性
がまっすぐ出る。
第三章 家での再現TIP(浸漬式の簡単版)
どの器具でも”浸してから一括で濾す”思想が同じ。
数値は”目安“として活用し、好みに合わせて微調節を
推しの比率は粉15g:湯240g(1:16)、お湯は100℃、タイマー4分。
- フィルターをセットし粉を平らに。
- 全量を一気に注ぐ(注ぎながら撹拌させるイメージ)
- 4分待つ(ノータッチ)
- バルブを開けて一括ドリップ。落ち切りで終了。
- プレスに粉→全量(撹拌しながら)注湯
- 4分待つ(撹拌なし)
- ゆっくりプレスダウン
- できれば別サーバーにすぐ移す(過抽出防止)
- 酸が鋭い → 挽きをわずかに細かく
- ボディが弱い → 比率を1:15に
- 渋みが出る → 挽きをわずかに粗く/待ち時間3:45
(目詰まりする場合はトータル時間が4分以内になるように調整)
第四章 ペアリングノート ーー “食後の一杯”として
「 オンライン中心なのでペアリング提供はしていないのですが、どんな
食後の後でも伝わるバランスを目差しています。」
クロワッサンなど(バターや油分の軽やかな味わいがある焼き菓子)、果物そ
のものと好相性。食後なら、砂糖不使用のヨーグルト+柑橘のような”控えめな甘さ“
がよく映える。
※画像はペアリングイメージです。


第五章 ”白箱の向こう側” ーー 買うならこの2択
- まずは今日の主役:Ethiopia SKY PROJECT Verveーー 会場で惚れたなら、そのまま。
冷め際のロゼワイン感が家庭でも再現しやすい。

- お試しで色幅を知る: 20g×3 Set(写真のピンク箱)–ロットを跨いだ”色相“を一度
に体験できる。贈り物にも向く
※会場ではギフトバッグや詰め合わせ(1000~7000円台)が並ぶ。白とピンクの
最小限デザインは、味のクリアさと同じ美学。

喫茶叙景文
春の断片が、秋の会場に降りてきた。
湯は沸き、蓋は開き、時計の針は時を刻む。
触れないことが、輪郭をくっきりさせる。
ロゼの影、マスカットの風、粉の上に静まる時間。
比べないという名の舟で、杯はそれぞれの色を選ぶ。
桜梅桃李。ここにいる理由が、香りの余白で分かる。
基本情報
- 1形態:
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オンライン中心のロースター。イベント出店あり。
- 2焙煎の方向性:
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浅煎りメイン。”カラフルで果実的な甘さ“を志向。
- 3最新情報:
-
公式Instagram、オンラインストアに随時。イベント在庫まずはSNSで告知。
- 4イベントの展示:
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SKY PROJECT Verveをはじめ、ゲイシャ各ロットのギフト、20g×3のテイスティングセット、白箱・紙袋の各種パッケージ。


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