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「雨の外宮参道であたたまる一杯|ダンデライオン・チョコレート伊勢外宮」

外宮参道に、白い蔵を改装した静かなチョコレートカフェがある。
雨の粒が石畳をたたく音を背中で聞きながら、その門をくぐると、
ふわりとカカオの匂いが迎えてくれた。

この日は、伊勢店限定の伊勢ホットチョコレートと、

カカオニブがたっぷりと散ったブラウニーを目当てに、
ダンデライオン チョコレート伊勢外宮店へ。

第一章|外宮参道の白い蔵にひらくチョコレート工房

白壁と赤い屋根の建物は、外宮の空気とよく馴染んでいる。
門を抜けると細長いアプローチがあり、その奥に小さな入口の扉。
雨に煙る参道から、一歩だけ静かな別世界に移動する感覚が心地いい。

店内に入ると、カウンターにはガトーショコラ、スモア、ブラウニー、カヌレなど、
カカオを主役にしたお菓子がずらりと並ぶ。
どれも色味は落ち着いているのに、質感や形に個性があって、
眺めているだけで「どれにしようかな」という迷いも含めて楽しい時間になる。

目次

第二章|伊勢店限定・伊勢ホットチョコレート

この日の主役は、もちろん伊勢ホットチョコレート。
伊勢店限定の一杯は、ほうじ茶とホットチョコレートが出会った、
少し不思議な飲み物だ。

ひと口飲むと、最初に広がるのは、
丸みのある甘さとしっかりとしたカカオ感。
そのすぐあとを追いかけるように、ほうじ茶の香ばしさがふわっと現れて、
ココアの中に、焙じた茶葉の香りと味が静かに残っていく。

どちらかが前に出すぎることはなく、
「カカオのコク」と「ほうじ茶の香ばしさ」がお互いの余韻をのばし合うようなバランス。
チョコレートドリンクなのに、飲み終わりは不思議と重たくない。

そしてこの一杯を支えているのが、丸みを帯びたマグ
白くてコロンとしたフォルムは手のひらになじみ、
口元にあてると、縁のカーブがとてもやわらかい。
飲みものそのものだけでなく、「器の口当たり」まで含めて、
優しく包み込まれる一杯
になっている。

第三章|カカオの余韻を食べるブラウニーともう一つの主役スモア

伊勢ホットチョコレートのお供には、チョコレートブラウニーを選んだ。

四角く切り出されたブラウニーの上には、
細かく砕いたカカオニブがたっぷりと散らされている。
ナイフを入れると、中はほろっと崩れていく柔らかさ
生地のあいだにはごろっとしたチョコレート片も隠れていて、
一口ごとに食感の変化が楽しい。

口に運ぶと、まず感じるのはしっとりとした生地の甘さ。
続いて、カカオニブのカリッとした歯ざわりとほんのりビターな風味が現れて、
「甘さ」と「カカオの苦味」が交互に波のようにやってくる。

伊勢ホットチョコレートをひと口、ブラウニーをひと口。
カップと皿を行き来するうちに、
雨音も時間も、すっかり背景になっていく。



もうひとつ強い存在感を放っていたのが、看板スイーツのスモア。
公式では、スパイシーなサブレ生地にチョコレートを流し込み、
その上にマシュマロをのせて岩塩をトッピングした一品と紹介されている。

きつね色に炙られたマシュマロの縁と、中央でゆっくりと揺れるチョコレート。
四角いフォルムの中に、カカオとキャンプスイーツの記憶がぎゅっと詰め込まれ
ているように見える。
ブラウニーの素朴な層と並べると、同じチョコレートでも「ほろほろと崩れていく焼き菓子
」と「とろりと溶け合うマシュマロ」の対比が際立って、どちらも主役級の存在感を放っていた。

伊勢ホットチョコレートのとなりにスモアを置いたトレイは、冬のカカオをめいっぱい
楽しむための小さなデザートプレートみたいで、次に来るときはこの組み合わせを味わいたいな、
と強く思わせてくれる。

第四章|ミニマルな空間と、ギフトが並ぶあたたかい部屋

カウンターの奥には、もうひとつの楽しみが待っている。
それが、チョコレートのある暮らしをイメージさせてくれる物販コーナーと、
ゆったりと腰を落ち着けられるイートインスペースだ。

入口近くのテーブルには、粉糖をまとったシュトーレンが木のボードにのせられ、
「Merry Christmas」のボードと小さなツリーが寄り添っていた。
奥にはグリーンや赤の丸缶、リボンをきゅっと結んだギフトボックスが並び、
シンプルな店内に、季節の色が静かに灯っている。

棚の上には、チョコレートバーやシュトーレン、焼き菓子を詰めた
アソートボックスが整然と並び、
「誰にどんな組み合わせで贈ろうか」と考えるだけで楽しい一角になっている。

イートインスペースは、木のテーブルと椅子、
深いグリーンのシートが印象的な、北欧テイストのリビングルームのような空間。
大きな窓からは柔らかい光が入り、
壁にはアートやドライフラワー、
サイドボードの上ではカカオや自然についての映像が静かに流れている。

飾り気は多くないのに、
温かい照明と木の質感、ところどころに置かれたオブジェやツリーのおかげで、
「チョコレートを味わう時間そのものを、ゆっくりプレゼントしてもらっている」
そんな気持ちにさせてくれる部屋だった。

喫茶叙景文 ~雨音とホットチョコレート~

雨の外宮参道は、人の足音よりも水の気配が濃くなる。
白い壁の蔵に吸い込まれると、カカオの匂いが傘のしずくをやさしく
溶かしていった。

丸いマグを両手で包むと、温度が骨の奥まで届く。
ほうじ茶の香りがカカオに寄り添い、
舌のうえをゆっくりと通り過ぎていく。

フォークを入れるたび、ブラウニーの角が崩れて、
皿の上に小さな破片が増えていく。
一粒残らずすくいあげる頃には、
窓の外の雨脚もいつのまにか細くなっていた。

参道のざわめきから少しだけ離れたこの場所で、
雨の日だけの伊勢の甘さを、静かに分けてもらった気がした。

基本情報

1 住所:

三重県伊勢市本町20-24

2 アクセス:

JR・近鉄「伊勢市駅」外宮側出口から徒歩数分

外宮参道沿い、白い蔵と赤い屋根が目印

3 営業時間

月〜金 10:00〜17:00

土・日・祝・毎月1日 9:00〜17:00

(最新情報は公式サイト・SNSで要確認)

4 備考・お店の概要

・伊勢店限定:イセホットチョコレート&カヌレあり。

・テイクアウト用のチョコレート、ブラウニー、クッキーなど物販も充実。

・席数は控えめなので、雨の日や連休は時間に余裕を持って訪れたい。

5 最新情報:

公式サイトで告知。

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