朝霞駅から歩いた先に、静かな住宅街の中でふと現れる「こみゅにてぃ めしや」。
小さな看板とゆらゆら立ちのぼる湯気
その奥では、鉄瓶が「コトッ」と音を立てて、ゆっくりとお湯を温めています。
このお店のコーヒーは、少し特別です。
店主が「体にいいものを」と選んだのは、ドリップポッドではなく鉄瓶。
鉄分やミネラルを含んだお湯で淹れることで、まろやかで深みのある味わいを生み出します。
きらびやかさも派手さもないけれど、
どこが”心の芯”を温めてくれるような一杯。
そんな「鉄瓶の音から始まる日常」を、今日もこの店は静かに届けています。

第一章 鉄瓶の音から始まる一日
朝霞の静かな住宅街。
まだ、人通りの少ない朝、店の奥から「コトッ」と小さな音が響く。
火にかけた鉄瓶の底が温まり、湯気が少しずつ立ちのぼる音だ。
「この音を聞くとね、今日も始まるなって思うんだよね。」
店主がそう話す声は穏やかで、まるでその音実体が一日の合図であるかのよう。
「こみゅにてぃ めしや」の朝は、鉄瓶の湯気とともにゆっくりと始まる。
鉄瓶を使うのは、見た目の渋さでも、演出のためでもない。
きっかけは”自分の体“でした。
「 昔、足の指の病気を抱えていたんだけどね。治らないと思っていたんだけど、
鉄瓶で沸かしたお茶やコーヒーを飲み続けたら、少しずつよくなってきたんだよね」
それ以来、店主はお店でも鉄瓶を使うようになりました。
”鉄分やミネラルが現代人に不足しているから“という理屈だけでなく、
「自分の体で感じた実感」がその背景にあります。
ただし、器具へのこだわりには線を引いています。
「 ドリッパーとかミルとかは、特に決めていないんだよね。
大事なのは”どう淹れるか”より”どんな気持ちで淹れるか”かなって。」
そう言って笑う姿は、肩の力が抜けたように自然でした。
鉄瓶の中で静かに沸くお湯の音と同じように、
お店の空気もまた、穏やかであたたかい。


第二章 ”鉄とミネラル”の一杯 – 体にやさしい理由
「鉄瓶で淹れるとね、水がまろやかになるんだよ。」
そう言いながら、店主は静かに湯を注ぐ。
お湯が粉に触れると、ふわりと立ちのぼる香り。
その香りはどこか甘く、鼻の奥を優しく抜けていく。
鉄瓶を使う理由は、ただ”味”のためではない
店主は現代人の食生活を見つめながら、こう話してくれた。
「 今の人はね、ミネラルとか鉄分が足りていない気がするんですよ。
だから、せめてここで飲む一杯ぐらいは、体にいいものであってほしい
なと思って。」
鉄瓶で沸かしたお湯には、微量の鉄分が溶けだす。
それがコーヒーの香りを引き立てると同時に、
まるで体を内側からやさしく包み込むような、やわらかな口当たりを生みます。
「 おいしいって言ってもらえるのはもちろん嬉しいけど、
更に、”なんか今日調子いいかも”って思ってもらえたら嬉しいな」
鉄瓶を通して届けたいのは、”変化”ではなく”気づき”。
それは派手さのない、でも確かな効果をもつ効果をもつ日々の積み重ね。
店主の中では、コーヒーは「飲み物」ではなく「小さな健康習慣」でもあります。
とはいえ、店主は決して健康志向を押し付けない。
彼にとって鉄瓶コーヒーはあくまで”日常の一部”です。
「 特別なことをしているつもりはないんです。
ただ自分にとっていいと思えたことを続けているだけなんですよ。」
だからこそ、その一杯はどこでも自然でやさしい。
「健康のため」ではなく、「自分をいたわるために」。
そんな穏やかな哲学が、湯気の向こうから静かに伝わってくる。

第三章 エチオピアの風を届けて
「初めてこのエチオピアの豆を飲んだとき、”あ、これだ”って思ったんだよね。」
青山のコーヒー専門店で出会ったその一杯が、店主のコーヒー人生を変えました。
それは深煎りの力強さでも、酸味の鮮烈さでもんくーー花のようにやさしく
香る”風”のような味でした。
そして今、「こみゅにてぃ めしや」でもその豆を扱っています。
ドッグホテルを営む友人の紹介をきっかけに、現在の焙煎所」とつながり、
同じ豆を仕入れることができるようになったのです。
「せっかくドリップで出すなら、いい方を飲んでもらいたくてね」
そう言って出された一杯は、軽やかで、飲んだ瞬間にふわっと頭の中に風景が浮かぶ。
それはまるで、高い山の上にあるお花畑のような光景。
フローラルな香りがスーッと脳内が抜けていくような、清らかな後味が残ります。


第4章 めしやの味 - 素朴で、からだにやさしい一皿を
「 こみゅにてぃ めしや」のメニューは見た目こそシンプル。
けれど、その一品一品には”日常の中のごちそう”が詰まっています。
黒米ご飯に、具沢山の味噌汁。
香り高い削りかつお節や、ぬか漬け。
どれも体にやさしく、食べ進めるほどにほっとする味わい
「 派手な料理よりも、”安心して食べられるもの”を出したいんです。」
と、店主は笑います。
メイン料理では、たまご焼きが人気。
嵐山のセイメイファームkら取り寄せる新鮮な卵を使用しており、
焼き上げる香りからすでに”やさしさ”を感じるほど。
ツナ入りやチーズ入りなど、日替わりで小さな変化を楽しめます。
セイメイファームの卵を使ったプリンは受注生産のみ。
鮮度が高く保存がきかないため、提供できる日が限られています。
「本当に新鮮なプリンだから、お店に無いときがあるんだよね」
その分、食べられた人は”運がいい”。
素朴そのものの味を活かしたプリンは、まるで卵そのものを食べているよう
な濃厚さとのこと。
今後は、デザートメニューをもう少し増やしたいとのこと。
「コーヒーと合うものをゆっくり考えたいですね」と、店主は語ります。

第五章 ひとつの”めしや”がつくる まちの居場所
「こみゅにてぃ めしや」は、ただ食事を提供する場所ではありません。
そこには”食”を通して人と人がつながる、もうひとつの目的がある。
「 子どもたちが安心して来られる場所にしたいんです。
もちろん大人も、誰でもね。」
店内では、「こども食堂」としての活動も行われている。
地域の子どもや親子連れが気軽に立ち寄り、
一緒にご飯を食べ、笑い合う。
そんな小さな”居場所づくり”が日常の中で息づいている。
「笑顔チケット」という制度もある。
来店したお客さんがチケットを購入すると、
子どもたちが無料または低価格で食事を楽しめる仕組みだ。
支え合いがさりげなく循環していくこの制度は、
地域の”やさしさのリレー”とも言える。
提供される料理は、黒米ご飯やみそ汁、ぬか漬け、ぬか漬け、削りカツオ節など、
体にやさしい定食スタイル。
店主さんは語ります。
「毎日食べても飽きない、安心できるごはんを出したいんです。」
そんな思いが、どの皿にも込められている。
木のぬくもりが感じられる店内には、
“食堂”でもありながら”家庭の食卓”のような安心感がある。
「こみゅにてぃ めしや」は、
子どもも大人も、誰もが自然体でいられる居場所。
それは”食”を真ん中にした、新しいコミュニティのかたちなのかもしれません。

最後に 湯気の向こうにある、やさしい日常
鉄瓶の口から立ちのぼる湯気。
その向こうには、いつも誰かの笑顔があります。
「こみゅにてぃ めしや」は、特別な料理を出すわけではあります。
だけど、どの一皿にも”人の温度”がある。
丁寧に淹れたコーヒー、やさしい味のたまご焼き、
そして、笑顔チケットでつながる地域の輪。
すべてが穏やかに溶け合って
この街にしかない空気を作り出している。
「 急がなくていいんです。
自分のペースで、来たい時にきてもらえれば。」
店主の言葉はまるでおまじないのように残る。
このお店は”食べる場所”でありながら、
生き方を少しだけやわらかくしてくれる”居場所”でもある。
湯気がゆらめき、カップから香るコーヒーの匂い。
今日もまた、誰かの小さな「ただいま」が
このお店の扉を静かに開けていきます。
店舗概要
- 1、所在地
-
:埼玉県 朝霞市 溝沼 5-18-2
- 2,最寄り駅/アクセス
-
:朝霞台駅/北朝霞駅 から徒歩15分
- 3,営業時間/定休日
-
:11:00~23:00(店舗情報により変動あり)
- 4,特徴
-
:子ども食堂/地域の居場所としての機能を持つ食堂。




















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