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旅の終点に、湯気が整列する|Japan Coffee Journey in SHINJUKU(まとめ)

白い天井灯の下、湯気は「屋外の風」に揺れない代わりに、きれいに真っ直ぐ立ち上がっていた。
床は明るく、音は反射して、会話は少しだけ速くなる。
けれど、ドリッパーの上だけは時間の針が緩む。
注がれる湯の線が一定になると、周囲のざわめきが薄まり、香りの粒が輪郭を持ち始める。

壁に貼られた地図は、日本列島の上をコーヒー豆が渡っていくように見えた。
県名と距離、ブース番号。そこに並ぶのは「店」ではなく、味の方位だ。
今日の自分がどこに立っているかを、香りで確かめられる会場だった。

第一章|Japan Coffee Journeyという会場:百貨店の“屋内”が、味の精度を上げる

この会場の良さは、派手さではなく再現性にある。
風の影響が少ない分、湯量・湯温・注ぎの速度がそのまま味に出る。
「今日はたまたま良かった」が起きにくい。だから、飲み手も質問が深くなる。

・試飲の温度帯が揃いやすい
・抽出器具が安定して置ける(スケール、サーバー、ドリッパーの動線が美しい)
・店の“設計”が、素直にこちらへ届く

第二章|この日の“収穫”の形:インタビューは、記録ではなく橋を架ける

今回インタビューしたお店は、ここまで揃いました。

JUNCTION Coffee Roaster/ROCA Coffee Roasters/スコーンショップ komichi/kintomeal/ULT. Coffee Roasters/BAiN DE CAFE/OBROS coffee/Days Coffee Roaster/NAKAMURA COFFEE/koloro coffee/Layers coffee/寺崎COFFEE/COFFEE ROASTERY 101/Piece by Piece coffee/NOMAD COFFEE/ISLAND STONE COFFEE ROASTERS/IMAGINE.COFFEE数が多いのに、ただ“数を稼いだ”感が薄い。

第三章|会場で見えた“共通項”:ロースターたちは、味より先に「意図」を語っていた

どのブースにも、味の前に“意図”が置かれていました。
浅煎り/中煎り/深煎りという区分より、「どう飲まれてほしいか」が先に立つ。

・甘さを“尖らせない”設計
・香りを前に出すより、余韻を遅らせる設計
・食べ物と合わせたときの“伸び”まで含めた設計

これは、イベント向けというより、日々の生活へ接続するための設計です。
会場で飲んだ瞬間に終わらず、帰宅後の机までつながる。

第四章|味の記憶:この日の“ペアリング地図”が、頭の中に残った

ISLAND STONE COFFEE ROASTERS:メモ(正)
・コロンビア/アロマナティーボ:フルーツ系、チェリー系
・グアテマラ:オーツ、シンプルなお菓子/ジャスミンが引き立つ
・エチオピア:油分のあるお菓子、焼き菓子

この3行は、イベントの混雑より長く残る。
「この豆はこう飲める」という生活の入口になっている。

第五章|店別の“見え方”を整える:記事化のための一行サマリー

Piece by Piece coffee:静かな香り→遅れて果実の余韻(温度変化で開く)
ISLAND STONE COFFEE ROASTERS:深煎りでも角を立てない/ペアリングの設計が明確
ROCA Coffee Roasters:会場で“迷い”を減らす説明が上手い(選び方のガイド力)
JUNCTION Coffee Roaster:抽出の所作に、味の哲学が出る
komichi(スコーン):コーヒーの甘さを伸ばす“壁”になれる焼き菓子
kintomeal:食のほうからコーヒーへ寄り添う設計(主役を奪わない)
ULT. Coffee Roasters:輪郭の作り方が明快(質問が深掘りしやすい)
BAiN DE CAFE:会場の空気を柔らかくするブース
OBROS coffee:一杯の後に「別の一杯」を呼ぶ構成
Days Coffee Roaster:日常に落ちる温度帯
NAKAMURA COFFEE:積み上げの強さ(選択の理由が言語化されている)
koloro coffee:香りの彩度が高い(記憶に残る入口がある)
Layers coffee:味が層で出る(説明がそのまま記事になる)
寺崎COFFEE:芯が太い(短い言葉でも設計が伝わる)
COFFEE ROASTERY 101:基礎が強い(質問が“基本”から“意図”へ移る)
NOMAD COFFEE:旅の文脈が似合う(読者の遠心力を作れる)
IMAGINE.COFFEE:余白がある(読者が自分の体験を重ねられる)

所作メモ|イベントで味を落とさない“3つの守り”

1:最初の一杯で舌を壊さない(濃い甘味・強い酸を避ける)
2:試飲は温度帯を通す(一口で決めない/少し冷める地点まで待つ)
3:質問は味の後半で(“余韻が出た後”に言葉が増える)

イベント攻略は、杯数ではなく「覚えている割合」で勝つ。

家での再現TIP|会場の味を、机に戻す

会場で出会った豆は、家に帰ると別人になりやすい。
だから、家では「同じ味を作る」より、同じ構造を作るのが近道です。

1:甘さを伸ばしたい日:抽出を“軽く”寄せる(濃度を上げすぎない)
2:花っぽさを立てたい日:湯温を下げすぎず、後半を丁寧に
3:深煎りを苦くしたくない日:注ぎを急がず、角が出る前で止める

そして何より、ペアリングを先に決める。
「何と一緒に飲むか」で、豆の“正解”が変わります。

家での再現TIP|「甘さの伸び」を作るもの

このイベントは、コーヒー単体の良さ以上に、合わせ方が強かった。

コロンビア(チェリー系):フルーツ感のある甘味/軽い焼き菓子
グアテマラ(ジャスミンが引き立つ):オーツ/素朴なお菓子(甘すぎない)
エチオピア:油分のある焼き菓子(フィナンシェ、マドレーヌ系)

ペアリングは“味を足す”のではなく、“余韻の形を整える”作業。

買うならこの2本|家に連れ帰る“二つの方向”

Piece by Piece coffee:Ethiopia Guji Shakiso G1 Natural(LIGHT帯)→ 静かな香り→遅れて果実。温度で開く構造が美しい。

ISLAND STONE COFFEE ROASTERS:エチオピア(焼き菓子と合わせる設計)→ 深煎り側へ寄せても、苦さで勝たない。
 “夜の一杯の受け皿”になれる。

喫茶叙景文 ~湯気が、列を作って帰る~

白い光の下で、湯気は迷子にならない。
天井の高さに吸われて、真っ直ぐに立ち上がり、そして静かに消える。
屋外のイベントなら、風が答えを変える。
けれど今日は、風がないぶん、こちらの呼吸がそのまま味へ映る。

カップを持つ手が少し温かい。
紙コップの薄さが、熱の輪郭を正直に伝える。
一口目は、会場の情報量を飲んでしまう。
人の声、足音、紙袋の擦れる音。
それらが舌の上で混ざりかけて、二口目でようやく、豆の名前が戻ってくる。

甘さは、声高ではない。
苦さも、勝とうとしない。
ただ、余韻だけが遅れて歩いてくる。
少し冷めたところで、果実が光り、花が短く揺れ、焼き菓子の油分がそれを受け止める。
「おいしい」という言葉は、遅い。
この場所では、言葉より先に、生活の場面が見える。
夜の机。朝の台所。誰かが作った焼き菓子。オーツの匂い。
そして、そこに置かれる一杯。

帰り道、香りはもう強くないのに、指先にだけ、焙煎の温度が残っている。
それは飲んだというより、触れたに近い。
黒いのに、甘い。
その矛盾が、今日の記憶をいちばん正確に言い当てている。

店舗概要

1 会場

小田急百貨店新宿店 7階イベントスペース

2 期間:

―2026年4月8日(水) 〜 4月13日(月)

3 営業時間:

―10:00 〜 20:00(最終日は17:00まで)

4 備考:

全国24都道府県から集結: 北は北海道から南は沖縄・西表島まで、各エリアを代表するロースタリー21社とスイーツ店など、計27店舗が出店しました。

5公式Instagram:
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