2026年4月– date –
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喫茶録
旅の途中で、甘さが立ち上がる|NOMAD COFFEE(Japan Coffee Journey in SHINJUKU)
会場の白い光の中で、赤だけが少し熱を持って見えた。黒い袋に貼られた四角いラベル。そこに同じ言葉が三回並ぶ——NOMAD NOMAD NOMAD。旅の途中で飲むコーヒーは、しばしば「疲れをほどく道具」になる。けれどこのブースの佇まいは、道具ではなく物語の側に... -
喫茶録
口に灯る果樹園、余韻は日本酒|COFFEE ROASTERY 101(Japan Coffee Journey in SHINJUKU)
会場の白い照明の下で、サイフォンだけが“夜”を連れている。ガラスの球体に赤い光が入り、液体がゆっくり持ち上がる。そこにあるのは抽出というより、香りの上演だ。 COFFEE ROASTERY 101のブースは、機材の整然さと、香りの野性が同居している。一口目で... -
喫茶録
旅の記憶が、ブースでほどける|NAKAMURA COFFEEと「伊勢サミットブレンド」
ブースの棚に、見覚えのある青があった。ISE-SHIMA SUMMIT Blend Coffee――それは、伊勢へ友人と旅した帰り、五十鈴川カフェでお土産に選んだ香りだ。袋の角、地図の輪郭、白抜きの日本列島。小さな印刷なのに、記憶のほうが先に息をする。 人の流れに押さ... -
喫茶録
色彩が味の輪郭になる場所|Days Coffee Roaster(Japan Coffee Journey in SHINJUKU)
会場は明るい。人の肩がすれ合い、視線は次のブースへ流れていく。それでも、抽出台の前だけは時間がゆっくりになる。湯気の線が細く立ち上がり、ORIGAMIのリブにお湯が当たる音が、わずかに耳に残る。 黒いクロスの上に、白い袋が整列している。遠目でも... -
喫茶録
透明の甘さが、朝を連れてくる|OBROS coffee(Japan Coffee Journey in SHINJUKU)
箱の角は静かで、紙はよく乾いている。それなのに、封を解いた瞬間だけ、空気が少しやわらかくなる。香りが“漂う”ではなく、部屋を満たす。それはルームフレグランスの代わりではなく、暮らしの隙間に「呼吸」を差し込むような満ち方だ。OBROSが目指すのは... -
道具・グッズ
柑橘の輪郭がほどけるまで|BAiN DE CAFE(Japan Coffee Journey in SHINJUKU)
小田急の催事場は、天井の灯りが均一で、気配だけがざわめいている。ブースの前に立つと、白い台の上に、透明な袋の焼き菓子がきちんと整列している。BAiN DE CAFEの看板は静かで、派手に呼び込まない。けれど、甘い匂いの端に、はっきりと柑橘が立つ。 シ... -
コラム・豆知識
静けさを運ぶ仕事|CV Authentic CEO ミフタフ・アフディアンと、東ジャワのコーヒー思想
コーヒーに関わる仕事は多い。淹れる人、焙煎する人、届ける人、語る人。そのどれもが一杯に近い場所にいるようでいて、実際には、それぞれ違う時間を扱っている。 カップの中に立ちのぼる香りは現在のものに見える。けれど、その香りの手前には、もっと長... -
コラム・豆知識
旅路、選択、そして未来|ミフタフという軸が運ぶもの
彼はまっすぐ笑っている。肩の力を抜いた、ごく自然な笑顔だ。けれど、その表情はただ明るいだけではない。そこには、すでにいくつもの選択をくぐってきた人間だけが持つ、静かな重みがある。隣には、寄り添う存在がいる。一人で立つことを誇るのではなく... -
コラム・豆知識
一杯の前にある設計|CV Authentic Agro Exportと東ジャワの供給思想
カップの上に立ちのぼる香りは、いつも最後に現れる。だが本当は、その香りはもっと手前から始まっている。まだ火にも触れていない青い豆。乾燥の速度。選別の精度。水分値の管理。産地の標高、土壌、農家との距離、袋詰めの方法、港へ向かうまでの段取り... -
コラム・豆知識
まだ見えない価値を運ぶ|東ジャワ、供給という静かな設計図
コーヒーは、香ってから記憶に残る。けれど本当は、その前からもう輪郭を持っている。 麻袋の中でまだ静かな生豆。火にも触れていない。湯にも触れていない。それでもそこには、土の性質があり、標高の差があり、収穫の手があり、選別の時間がある。 一杯...
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