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口に灯る果樹園、余韻は日本酒|COFFEE ROASTERY 101(Japan Coffee Journey in SHINJUKU)

会場の白い照明の下で、サイフォンだけが“”を連れている。
ガラスの球体に赤い光が入り、液体がゆっくり持ち上がる。
そこにあるのは抽出というより、香りの上演だ。

COFFEE ROASTERY 101のブースは、機材の整然さと、香りの野性が同居している。
一口目で景色が変わるコーヒーと、飲み終えてから静けさが残るコーヒー。
ここは「派手さ」ではなく、「余韻の設計」で勝負している場所だ。

第一章|101という設計:サイフォンで“輪郭”を描く店

テーブルに並ぶのは、複数台のサイフォン。
同じ道具が並ぶだけで、空気は研究室みたいに澄む。
だが、そこで行われているのは数式ではなく、香りの解像だ。

ブースには競技会の掲示もある。
焙煎競技会のファイナリスト、そしてサイフォン競技会(JSC)での入賞。
技術の背景が、飲む前から“信頼の地盤”を作る。

そして、目を引くのがQグレーダーの掲示
名前が掲げられているのは、技術を“個人の手”として提示するためだろう。
抽出は店の性格を隠せない。だからこそ、名札のように誇れる。

第二章|試飲①:パッションフルーツが、飲むほど濃くなる

試飲した一杯は、言葉より先に口内で広がった。
フルーティーさが強く、一口目から“果実の輪”が大きい。

面白いのは、飲み進めるほどに体感が変わるところだ。
一口目で感じたトロピカルは、二口目でパッションフルーツの果実感へ寄っていき、
三口目で“香り”が“質感”になる。
飲むほどに、果実が近づいてくる。

スタッフの方が言っていた。
会場の中で一番フルーティーさがある」——その言葉が、誇張に聞こえない。
派手な酸の跳ねではなく、口の中での面積で勝っているタイプのフルーツだ。

さらに、飲み方の提案が具体的だったのも印象深い。
おすすめはコーヒートニック
グラスに氷を入れて、トニックウォーターを約150cc。そこへ“濃いめに作った
パッションフルーツのコーヒーを注ぐ。
炭酸が香りを押し上げ、果実の輪郭だけが立ち上がる——そんな設計が見える。

第三章|試飲②:“おもてなし”としての日本酒アフターインフューズ

もう一つの核が、Japanese SAKE After infused
会場での人気が、ただの評判ではなく“現象”になっていた一品だ。

5日間のイベントのうち、3日目で「持ってきた在庫分が売り切れ」。
しかも、初日に飲んだ人が次の日も戻ってくる——そのリピートが起きていたという。
売れた理由は、味より先に「体験が記憶に残る」からだ。

香りは日本酒へ向かうのに、液体はあくまでコーヒーに立脚している。
アルコールは入っていない。それでも、最後の抜け方が日本酒の方向へ整えられている。
この香りの“調整”に、2年ほどかけて開発したと聞くと、静けさの正体が見える。

「静かな一杯」。
ボディで押してこない。常に静けさがある。そこに日本酒由来のまろやかさが重なって、
コーヒーの輪郭を荒立てず、余韻だけを長くする。
飲みごたえではなく、飲後感で満たす。

第四章|豆の幅:最高級からデイリーまで、そして“香りの実験”

ブースの説明にあったのは、ラインナップの意志だ。
最高級の豆から、フレーバー豊かなもの、そしてデイリーで飲みやすいもの。

その上で、この店は“香りの実験”を商品にする。
日本酒アフターインフューズは象徴で、単に変わり種ではない。
「海外の人たちに提供して、コーヒーで世界中仲良くなれれば」
——その言葉が、“おもてなし”の輪郭を作っていた。

コーヒーを嗜好品で終わらせず、文化として手渡す。
101は、味だけではなく“届け方”を焙煎している。

所作メモ|サイフォンは、香りを壊さず運ぶ

複数台同時運用でも抽出が乱れないのは、火力と時間の管理が揃っているから

・サイフォンは、香りが立ち上がる瞬間が見える。「香りのピーク」を逃さない設計になりやすい

・トニック用は“濃いめ”。炭酸で薄まる前提で、香りの芯を先に作るのが肝

ペアリング|副題:舌に灯る果樹園

パッションフルーツ系:柑橘タルト/ヨーグルト系スイーツ/軽いチーズ
            (香りを邪魔しない温度で)

チョコに合う系(会場で話題の一杯):チョコレートの焼菓子/カカオ強めのガトー

Japanese SAKE After infused:和三盆・落雁のような乾いた甘み/塩気の少ないバタークッキー

五章|購入ガイド:迷うなら、この2本

1) Japanese SAKE After infused(100g)
・フレーバー:Japanese Sake(日本酒)
・焙煎:High or City(季節で変動)
・特徴:焙煎前の生豆状態で約3ヶ月かけて香りを移す“オリジナル
・注意:在庫・熟成状況によっては待ち時間が出る可能性あり(必要時は注文確認後に案内)
    静けさを買うなら、これがいちばん強い。

2) パッションフルーツ級のフルーティー(試飲の主役)
・体感:飲むほどに果実感が強まる、会場最強クラスのフルーティーさ
・おすすめ:トニック割り(150cc)で香りを上へ
     “派手”ではなく、“広がり”で勝つ果実。

喫茶叙景文|~ガラスの球体が、香りの劇場になる~

人の波を抜けると、急に足音が自分のものに戻る。
袋の中で豆が擦れる気配がして、香りはまだ会場の明るさを抱えている。

パッションフルーツは、明るいまま消えない。
口の中で広がった面積が、帰り道の呼吸にまで移ってくる。
一方で、日本酒アフターインフューズは、音を消して残る。
飲んだはずなのに、飲んだ“後”のほうが長い。

派手さは、会場に置いてきた。手元に残ったのは、静けさと、果実の輪郭。
それがふたつ同じブースから出てくることが、妙に嬉しい。
コーヒーは、味ではなく、余韻で人を連れていくことがある。
今日はその証拠を、ガラスの球体が静かに見せていた。

店舗概要

1 住所:

愛知県一宮市明地字江渕90-1本店(珈琲屋101)

2 アクセス:

―東海北陸自動車道「一宮西インター」から約13分
駐車場は敷地内に25台分(無料)完備されています

3 営業時間:

営業時間: 8:00 〜 17:00(L.O. 16:30)

定休日: 水曜日

4 備考:

国際鑑定士による厳選: コーヒー品質協会(CQI)認定の鑑定士が、豆の買い付けから焙煎までを一貫して監修しています。

5公式Instagram:
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