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色彩が味の輪郭になる場所|Days Coffee Roaster(Japan Coffee Journey in SHINJUKU)

会場は明るい。人の肩がすれ合い、視線は次のブースへ流れていく。
それでも、抽出台の前だけは時間がゆっくりになる。湯気の線が細く立ち上がり、
ORIGAMIのリブにお湯が当たる音が、わずかに耳に残る。

黒いクロスの上に、白い袋が整列している。
遠目でも見分けがつくのは、ラベルの色が、味の方向を先に示しているからだ。
このブースは「飲む前から、想像が始まっている」。その設計が、目に見える。

第一章|Days Coffee Roasterのブース:整列した袋が“メニュー”になっている

並ぶのは豆袋と、その下に添えられた説明カード。
会場という“速い場所”で、選ぶ時間をちゃんと残す置き方をしている。

抽出台には、ドリッパー、サーバー、スケール。奇をてらわない道具立てが、むしろ信頼になる。
賑わいの中で、手元が丁寧なブースは、だいたい美味しい。

そしてもうひとつ。
ブース全体が「作品展示」のように見えるのは、ラベルの存在感が大きい。
コーヒーの説明が“文字”だけで終わらず、視覚の入口を持っている。

第二章|ドリップパックは“飲めるイラスト”

店の方いわく、ドリップパックのイラストはそのコーヒーのイメージ。
味を言葉で説明する前に、色と形で「こういう方向だ」と手渡してくる。

今回手にしたのは、どれも輪郭がはっきり違うラインナップ。

KAYAVE ANA DARK(ブルンジ / Bourbon / Anaerobic Natural / 1,800m / Crop 2023/2024)
フレーバー:プラム/アメリカンチェリー/プルーン/カシス/チョコレート
EL INJERTO BOURBON(グアテマラ / Bourbon / Washed / 1,500–2,000m / Crop 2023/2024)
 フレーバー:チョコレート/グレープ/カシス/アーモンド/ブラックベリー
NYAGISHIRU(ブルンジ / Bourbon / Washed / 1,500–1,700m / Crop 2023/2024)
フレーバー:グレープフルーツ/アニス/シナモン/ブラックベリー/アップル
VENECIA(コロンビア / Colombia F4 / Semi Washed / 1,694m / Crop 2024/2025)
フレーバー:ライム/マンダリン/グレープフルーツ/シュガーケーン/クリーンカップ(ほか

味の言葉が並ぶのに、重くない。
色が先に“手触り”を作ってくれるから、選ぶ側の直感が働く。

第三章|イベントの一杯は、家で完成する

ドリップパックは、会場で飲んで終わりにしない。
家の机に持ち帰って、静かな時間で“完成”する。

袋の裏には、淹れ方が書いてある。180〜200gの熱湯を注いで、4分待つ。
それだけで成立する設計は、忙しい日にも強い。
そして「冷めても美味しい」と添えられているのが、地味に嬉しい。温度で味が動く前提がある。

所作メモ|ディップコーヒーの美味しい淹れ方

・袋からパックを取り出し、持ち手を外に出すようにしてカップへ
180〜200gの熱湯をパックに当てながら注ぐ
そのまま4分待つ
・4分後、持ち手を持ってパックを軽くゆすり、濃さを調整して取り出す
温度変化の味わいを楽しみながら、ゆっくり飲む。冷めても美味しい

家での再現TIP|“甘さ”を残すための小さな工夫

・お湯は熱すぎないほうが合う
(香りが強いロットほど、少し落ち着かせると甘さが出る)

・4分後の“ゆすり”は、一度だけから始める(揺らしすぎると輪郭が濁る)
・冷めていく途中で、香り→酸→甘さの順に現れるものが多い。
 途中で飲む速度を落とすと、変化が見える

ペアリング|果実の影を深くする

KAYAVE ANA DARK(ブルンジ/アナエロビック
  × ドライプルーン/ドライチェリー/レーズン
→ ラベルにあるプルーン/チェリー/カシスと、ドライフルーツの“濃い甘さ”が重なる。後口にチョコが残りやすい。

EL INJERTO BOURBON(グアテマラ/ウォッシュド)
 × ドライいちじく/アーモンド
→ チョコ/ナッツ方向を伸ばして、余韻を上品にする。

VENECIA(コロンビア/セミウォッシュド)
 × ドライ柑橘ピール
→ ライム/マンダリンのニュアンスを明るくする。

買うならこの2本|色で選んで、味で当たる

KAYAVE ANA DARK:果実とチョコの“影”が濃い。イベント土産の満足度が高い。

VENECIA:柑橘とシュガーケーンの“明るさ”。気分を変えたい日に強い。

喫茶叙景文 ~賑わいの中で、香りだけが先に歩く~

照明の白さに、会場の時間が反射している。
人は流れて、紙袋がこすれ、遠くで誰かが笑う。

それでも、抽出台の前では、手の動きが小さくなる。
湯気は細く、香りは太い。
その太さだけが、こちらに残る。

袋の絵は、飲む前の予告編だ。
赤と青の衝突、紫の渦、緑の線。
”の言葉を読む前に、視覚が先に頷いてしまう。
家に持ち帰り、カップの中で四分待つ。
待つことがレシピに組み込まれているのが、なぜだか優しい。
冷めても美味しい、と書かれているのは、時間の変化を肯定しているからだ。

飲み終えたあと、舌に残るのは果実の影。
机の上に置いた空袋が、まだ色を放っている。
今日の会場の騒がしさは遠のき、香りだけが、静かに帰宅する。

店舗概要

1 住所:

新潟県新潟市中央区女池神明3-14-4 NEST MEIKE SHINMEI

2 アクセス:

(女池神明店):新潟交通バスのバス停「女池愛宕」から徒歩約2分
  (西堀店):JR「白山駅」から徒歩約20分、またはJR「新潟駅」から徒歩約28分

3 営業時間:

―10:00 〜 17:00
定休日: 基本なし(不定休)

4 備考:

全種類試飲スタイル: 最大の特徴は、店頭に並ぶ常時25〜35種類以上のコーヒー豆をすべて試飲できる点

5公式Instagram:
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