2026年– date –
-
道具・グッズ
砂糖の薄氷がほどけるとき|スコーンショップ komichi(Japan Coffee Journey in SHINJUKU)
袋をほどく音は小さいのに、香りは大きい。手のひらに収まる丸い輪郭が、持ち帰りの時間を一気に“台所”へ引き戻す。スコーンは冷めたままでも成立する菓子だが、komichiのそれは、温度が加わることで輪郭が立ち直る。粉とバターが、眠りから起き上がる。焼... -
喫茶録
香りの花束を、甘さで受け止める|ROCA Coffee Roasters(Japan Coffee Journey in SHINJUKU)
黒い袋は、夜の縁。白い袋は、朝の面。どちらも同じ名前を抱えているのに、置いた瞬間から空気の温度が変わる。 ブースには透明なジャーが並び、カードの横に粉が小皿で置かれていた。「香りを先に」。その順番だけは、誰の足取りにも同じ速度で届く。再訪... -
喫茶録
交差点に灯る、白い湯気|JUNCTION Coffee Roaster(再訪)Japan Coffee Journey in SHINJUKU
新宿は、歩幅が勝つ街だ。床の光は硬く、エレベーターの音はまっすぐで、目線は次の予定へ吸い込まれていく。 その流れの途中で、ふいに立ち止まる理由がある。紙とフィルムに包まれた白い袋、丸いロゴ、そして、「Coffee is morning」の一言。 朝のための... -
喫茶録
香りの入口、庭が主役|珈琲 朝一番(新座)
扉の前で、もう飲んでしまっている。店に入る前から、鼻の奥に熱の余韻がまとわりつく。焦げではない。甘さだけでもない。焙煎機が生んだ“黒い匂い”が、空気の芯を細く震わせている。一歩入ると、気持ちは勝手に椅子へ向かう。けれど目線は、室内より先に... -
コラム・豆知識
まあるくつながる、香りが見つかる|FIND LOCAL MARKET
入口のアーチに影が落ち、旗の布が呼吸する。「FIND LOCAL MARKET」の文字は、今日の歩幅をひとつだけ整える。買い物の場というより、“見つける”という行為に名前を与える場。コーヒーと焼き菓子と小さなクラフトが、同じ道幅で並ぶ。ここで拾うのは、商品... -
道具・グッズ
朝の一杯に、香りだけが増える|TWENTY NINE(FIND LOCAL MARKET)
イベントの空気は、人の足音でできている。その中で紙袋だけが、別の時間を鳴らす。買って、持ち帰って、机の上でほどく——それまでが一つの菓子の設計だ。 TWENTY NINEは、甘さを押し出すのではなく、香りの層を重ねる店だと感じた。焼菓子は主役だが、飲... -
道具・グッズ
甘さの輪郭を焼き直す街角|dot.free.donuts(FIND LOCAL MARKET)
赤いチェックは、可愛いより先に、判断を早くする。視線が迷子になりやすい市場で、色と形が整理されて並ぶだけで、身体が少し楽になる。ドーナツの輪が、同じ直径で、別の景色を持っている。粉糖の白、カカオの黒、柑橘の黄。そこにあるのは「甘いもの」... -
道具・グッズ
ほどける甘さ、机に戻る香り|ノミガワスイーツ(FIND LOCAL MARKET)
屋外の光は強いのに、甘いものの影だけ柔らかい。紙袋の中は、温度が一段落ち着いていて、香ばしさが先に立つ。ノミガワスイーツのブースは「お菓子を買う場所」というより、“家の机まで連れて帰る時間”の入口だった。 並んでいるのは、単なる焼き菓子の種... -
喫茶録
香りを採集する、夜と花の標本箱|Ariowl Coffee(FIND LOCAL MARKET)
風のある会場で、黒いパッケージがふっと艶を返す。金の箔が、昼の光を受けて一瞬だけ夜みたいな深さになる。Ariowl Coffeeのブースは、香りの“名前”がきちんと並ぶ場所だった。NightOwl、Ariowl Mix、そして銀色のTop Specialty Selection。同じドリップ... -
豆と味
色のついた「レア」が棚に並ぶ日|自家焙煎吉本(希少豆三本立て)
紙の袋は軽いのに、産地名だけがずしりと重い。「CUBA」「TANZANIA」「COLOMBIA」。国名の大文字が、旅の看板みたいにこちらを呼ぶ。 知らずに買った“お試し”が、あとから希少豆の入口だったと気づく瞬間がある。偶然は、ちゃんと理由のある場所に落ちてい...