2026年– date –
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喫茶録
畑の静けさを、皿に運ぶ|オーチャードカフェ(大泉学園)
大泉学園の街の音が、少しずつ薄くなる。扉を押すと、白い壁に小さな四角い窓が並び、光が静かに溜まっていた。ガラス戸の向こうに、畑の青い網。椅子の影が床に線を引く。ここは「食べる」より先に、呼吸が整う場所だ。 第一章|畑→果実→ジャム→皿:店の... -
コラム・豆知識
川越の冬、2オンスの宇宙|KAWAGOE COFFEE SELECTION
冬の広場は、音がよく通る。テントの布が鳴り、カップの縁が光り、歩く人の影が長く伸びる。ひと口のために並ぶ列は、なぜか“急がない”。急げないのではなく、急がないのだ。ここで扱われるのは、たくさんの量ではない。短い量が、街の輪郭をくっきりさせ... -
道具・グッズ
外はカリカリ、街はもちもち|菓子工房Hiro(KAWAGOE COFFEE SELECTION)
屋台の布が揺れ、日差しが焼き菓子の袋に反射する。手に取る前から、甘さはもう“音”として鳴っている。カヌレが並ぶ棚は、整列しているのに騒がしい。焦げの匂い、バターの輪郭、砂糖の影。そこへ、別の線が差し込む。coffeeの文字。菓子工房Hiroの甘味は... -
喫茶録
飲み疲れない一杯の設計図|glin coffee ROASTERY 川越(KAWAGOE COFFEE SELECTION)
朝の光は硬く、広場の影はまだ長い。テントの布が少し鳴って、紙の擦れる音がつづく。視線の先にあるのは、派手さよりも“整い”で勝負しているブース。白い袋が段を作り、説明札が味の地図になっている。手の中に残るのは、飲んだ記憶だけではない。飲み疲... -
喫茶録
日暮れの広場で、ベリーがほどける|Happiness Coffee(KAWAGOE COFFEE SELECTION)
夕方の光が斜めに落ちる時間、緑の旗が先に目に入る。大きく書かれた 「自家焙煎珈琲豆」 の文字が、屋外のざわめきに芯を通す。 車体は小さな店になっていて、棚にはドリップバッグが几帳面に整列している。紙の札には値段と内容がきちんと出ていて、迷い... -
喫茶録
文字の影で、丸みがほどける|川越メル珈琲(KAWAGOE COFFEE SELECTION)
屋台の木肌は、冬の陽に乾いている。そこへ貼られた紙が、少しだけ風を受けて波打つ。墨の線は太く、迷いが少ない。自家焙煎、珈琲、そして店名。文字が“案内”というより“看板の骨”になっていて、視線が勝手に落ち着く。 香りはもちろん来る。けれど、この... -
コラム・豆知識
風の広場に、家の机が続いている|さいたま COFFEE FESTIVAL まとめ(初開催・5店+No.13)
駅前はいつも忙しい。人の流れが太く、用事が先に立ち、足は止まりにくい。それでも、テントが立つ日だけ、街は少しだけ歩幅を変えます。湯気が上がると、音が一段落ちる。香りが、会話の隙間に入り込む。 今回のさいたま COFFEE FESTIVALは初開催。初開催... -
喫茶録
太陽の下で、余白が焙煎をほどく|COFFEE ITS(さいたま COFFEE FESTIVAL)
会場の風は乾いていて、声は軽い。その中で、COFFEE ITSのブースは色が先に届く。黄色い袋がずらりと並び、豆の産地名が短い言葉で胸を叩く。CHINA、COLOMBIA、INDONESIA、PERU、そしてDECAF。選択肢が多いのに、騒がしくない。並べ方が静かだから、こちら... -
喫茶録
旧蔵の影に、ミルクが白くほどける|50 COFFEE & ROASTERY(さいたま COFFEE FESTIVAL)
白いテント布が光を反射し、足元の石畳が乾いた音を返す。賑わいは横に流れていくのに、ブースの前だけ、時間の粒が少し大きい。 黒い看板。「50 COFFEE & ROASTERY」という数字の立ち方が、どこか潔い。雑多なイベントの景色の中で、店はいつも“拠点”... -
喫茶録
旅する春、豆が語る街|常盤珈琲焙煎所(さいたま COFFEE FESTIVAL)
テントの布越しに、光が白く跳ねる。湯気の立ち上がりは細く、豆の香りは太い。イベントの空気はいつも忙しいのに、コーヒーの前だけ、時間が遅くなる。 常盤珈琲焙煎所のブースは、「持ち帰ってから完成する」設計が目に入る。並ぶのは抽出の一杯だけじゃ...