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風の通り道にある、香りの橋 ー JUKO CAFE

 朝霞市の住宅街に、ふと香ばしい香りが漂う。
 その先にあるのは、兄弟で営む小さな「JUKO CAFE」。
 
 弟が焙煎を、兄が焼き菓子を。
 二人で息を合わせてつくりあげるこの場所には、どこか家族の温かさが漂っている。

 お店では、自家焙煎したコーヒー豆を使用。
奄美大島のルーツを生かし、黒糖や南国フルーツを取り入れた焼き菓子やドリンクも提供している。
その味わいは、朝霞の街にいながら奄美の風を感じられるような、やさしい余韻を残す。

 JUKO CAFEは、ただコーヒーを飲む場所ではない。
地元・朝霞と奄美をつなぎ、人が自然に集まる”拠点”のような存在を目指している。
その静かな一杯には、土地と人、そして家族を結ぶ想いがそっと込められたいるのだ。

第一章 おじいさんの名を受け継いで ー JUKO CAFEのはじまり

 JUKO CAFEという名前は、店主の祖父・「ジュウコウ」さんの名前
からつけられた。

 お店の正面にデザインされた一枚の赤い看板が目に入る。
 やさしい笑顔の男性が描かれたそのロゴこそ、お店の象徴であり、祖父の面影を写したものだ。

 「 祖父の名前をそのまま店名にしました。
 ロゴも祖父をモチーフにしているんです。」

 どこか懐かしさを感じるオレンジ色のトーン。
それは、まるで奄美の夕暮れのような、穏やかな温かみを放っている。

 お店を始めたのは、長年コーヒー業界に携わってきた弟さんが、
「いつか自分の手で焙煎した豆を届けたい」と思ったことがきっかけ。
ちょうど実家の近くで見つけた物件に導かれるように、朝霞での新しい物語が始まった。

 兄弟ふたりで営む店。
おじさんの名を掲げ、家族の記憶を未来へと紡ぐように。
ここJUKO CAFEには、時間を超えて流れる”ぬくもり”が静かに宿っている。

目次

第二章 探りながら、磨きながら ー コーヒーの味をつくる日々

 JUKO CAFEの味づくりは決して最初から決して最初から完成していたわけではない。
 弟さんが行う自家焙煎のこだわりは
 一つひとつの豆の表情を見ながら、火加減や時間を変え、何度も試行錯誤を重ねてきた。

  「 特に決めていた味はなかったんっです。
始めてから探りながら、自分で”これだ”と思うものを見つけていきました。」

 扱う豆は全てがスペシャリティーコーヒー。
 中でもブレンドは「毎日でも飲める味」を目指している。
 酸味も苦味も強すぎず、どんな日にも寄り添うようなやさしさがある。

  「 誰が飲んでも美味しいと思えるように。
  飲みやすくて、毎日でも飽きない味にしたかったんです。」


 兄弟の連携も、この店の特徴の一つだ。
弟さんが焙煎した豆で淹れるコーヒーに合わせて、お兄さんが焼き菓子を作る。
店内で焼き上げられるスコーンやクッキーは香ばしい香りで空間を満たし、
コーヒーの余韻をふわりと包み込む。

 奄美産の黒糖やフルーツを使ったお菓子も並び、
その優しい甘さが、焙煎の深みに静かに寄り添う。
コーヒーとお菓子、焙煎と焼き菓子。
それぞれの持ち味が溶け合い、JUKO CAFEならではの味わいを形づくっている。
 

第三章 はじめてのチーズケーキ - 優しさを閉じ込めた一切れ

 JUKO CAFEのスイーツは、見た目こそシンプルだが、一口で印象が変わる。
 中でも人気の「バスクチーズケーキ」は、
口に入れた瞬間、じゅわっと広がるしっとり感に脅かされる。

  「 チーズケーキがいちばんおすすめです。
  ちょっと柔らかめにして、しっとり感を大事にしているんです。」

 ”バスク”と聞くと、少し固めの焼き上がりを想像する人も多い。
だが、この店のチーズケーキはまるで真逆。
 舌の上でとろけるようなやわらかさで、
コーヒーの苦味と出会うとふっと甘みが溶け、幸せな余韻を残してくれる。

 驚くのは、このチーズケーキが店主さんにとって初めての手づくりスイーツ
だったことだ。
 お店を始めてから、試行錯誤の中でレシピを作り上げたという。

  「 お店を始めてから作り始めたんです。
  最初はうまくいかないことも多かったですけど、
  自分が美味しいと思えるものを出したかったんです。」

第四章 好きなものを詰め込んで ー くつろぎの空間をつくる

 JUKO CAFEの扉を開けると、静かに流れる音楽と、心地よいコーヒーの香りに包まれる。
さまざまな種類の置物や優しい色合いの照明。
どこを見ても”作り込まれたオシャレさ”ではなく,店主が好きなものを素直に
並べたような温かさがある。
  
  「特別意識しているわけじゃなくて、好きなものを置いているだけなんです。」

 その中でも印象的なのは、店内のあちこちに隠れた猫のモチーフ。
カウンターの奥にひっそりと座る小さな陶器の猫の隙間からこちらを
見つめている猫のアンティーク。
まるで「ここにいるよ」と微笑んでいるようだ。

 コーヒーを持つ時間にふと視線を向けると、
猫たちがやわらかくお客さんを見守っている。
そんな空気づくりが、このお店の魅力のひとつだろう。

  「お客さんが”美味しかった”って言って帰ってくれるのが一番うれしいです。」

 派手な演出はない。
けれど、その一言のために、丁寧に豆を焼き、スイーツを仕込み、扉を開ける。
そんな日々の積み重ねが、JUKO CAFEの空間そのものを形づくっている。

 奄美と朝霞、そして家族の想いが、静かに重なり合う場所。
それがこの”ジュウコウ”の名を持つカフェの本当の姿なのだ。

最後に コーヒーの香り、奄美の風、朝霞の光の中で

 午後の陽が斜めに差し込むころ、
大き窓越しにゆらゆらと木漏れ日が揺れる。
カップの中で立ちのぼる湯気が淡い光を受けて、
まるで奄美の海辺にかかる朝霞のようにやわらかく漂う。

 店内には、低く流れるジャズと焙煎の香り。
席につくと、コーヒーの苦味とチーズケーキの甘みが
そっと心を解いてくれる。
会話は静かに、けれど確かにーー。
兄弟がつくるこの場所には、
「奄美」と「朝霞」がふしぎに溶け合っていた。

 奄美の黒糖のぬくもり。
朝霞の街の穏やかな時間。
その間をつなぐ”香りの橋”が、JUKO CAFEにはある。

 忙しい日常の中、少しだけ立ち止まりたい時。
JUKO CAFEはまるで、
“風の通り道にある秘密の庭”のようだ。

 カップを置く音、猫の置物のやさしさ眼差し、
そして、帰り際に響く「ありがとうございました」の声。
そのどれもが心に残り、
次に訪れる理由になる。

店舗概要

1住所:

埼玉県朝霞市本町 3-19-51 小倉ビル1F。

2アクセス:

朝霞駅(東武東上線) より徒歩約7~10分

3営業時間:

朝8:00~18:00 (提供日:水曜日)との情報あり。

4特徴:

カウンター席及びテーブル席があり、ゆったりとした時間を過した落ち着いた空間

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