2026年3月– date –
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喫茶録
日暮れの広場で、ベリーがほどける|Happiness Coffee(KAWAGOE COFFEE SELECTION)
夕方の光が斜めに落ちる時間、緑の旗が先に目に入る。大きく書かれた 「自家焙煎珈琲豆」 の文字が、屋外のざわめきに芯を通す。 車体は小さな店になっていて、棚にはドリップバッグが几帳面に整列している。紙の札には値段と内容がきちんと出ていて、迷い... -
喫茶録
文字の影で、丸みがほどける|川越メル珈琲(KAWAGOE COFFEE SELECTION)
屋台の木肌は、冬の陽に乾いている。そこへ貼られた紙が、少しだけ風を受けて波打つ。墨の線は太く、迷いが少ない。自家焙煎、珈琲、そして店名。文字が“案内”というより“看板の骨”になっていて、視線が勝手に落ち着く。 香りはもちろん来る。けれど、この... -
コラム・豆知識
風の広場に、家の机が続いている|さいたま COFFEE FESTIVAL まとめ(初開催・5店+No.13)
駅前はいつも忙しい。人の流れが太く、用事が先に立ち、足は止まりにくい。それでも、テントが立つ日だけ、街は少しだけ歩幅を変えます。湯気が上がると、音が一段落ちる。香りが、会話の隙間に入り込む。 今回のさいたま COFFEE FESTIVALは初開催。初開催... -
喫茶録
太陽の下で、余白が焙煎をほどく|COFFEE ITS(さいたま COFFEE FESTIVAL)
会場の風は乾いていて、声は軽い。その中で、COFFEE ITSのブースは色が先に届く。黄色い袋がずらりと並び、豆の産地名が短い言葉で胸を叩く。CHINA、COLOMBIA、INDONESIA、PERU、そしてDECAF。選択肢が多いのに、騒がしくない。並べ方が静かだから、こちら... -
喫茶録
旧蔵の影に、ミルクが白くほどける|50 COFFEE & ROASTERY(さいたま COFFEE FESTIVAL)
白いテント布が光を反射し、足元の石畳が乾いた音を返す。賑わいは横に流れていくのに、ブースの前だけ、時間の粒が少し大きい。 黒い看板。「50 COFFEE & ROASTERY」という数字の立ち方が、どこか潔い。雑多なイベントの景色の中で、店はいつも“拠点”... -
喫茶録
旅する春、豆が語る街|常盤珈琲焙煎所(さいたま COFFEE FESTIVAL)
テントの布越しに、光が白く跳ねる。湯気の立ち上がりは細く、豆の香りは太い。イベントの空気はいつも忙しいのに、コーヒーの前だけ、時間が遅くなる。 常盤珈琲焙煎所のブースは、「持ち帰ってから完成する」設計が目に入る。並ぶのは抽出の一杯だけじゃ... -
喫茶録
漢方みたいに、花がひらく|EPICE CAFE(さいたま COFFEE FESTIVAL)
冷たい空気の日ほど、香りはよく見える。会場の白いテントの中で、湯気は小さな旗みたいに立って、カップの縁でゆっくりほどけていく。 EPICE CAFEのブースは、派手に押し出すというより、“整っている”ほうで目が止まる。メニューの言葉が整理されていて、... -
道具・グッズ
米粉のやさしさが、コーヒーの輪郭をほどく|atelier 紡(さいたまCOFFEE FESTIVAL)
屋外のコーヒーイベントは、開始前からすでに始まっている。湯気が見える距離、紙袋の擦れる音、テーブルに並ぶ焼き菓子の“匂いの線”。 風が冷たいほど、コーヒーの香りは濃く感じるのに、身体はどこか慎重になる。カフェインが積み上がっていくことを知っ... -
コラム・豆知識
銀座の空気に、コーヒーの時間が溶ける|GINZA COFFEE FESTIVAL 2026 まとめ
銀座のビル風は、いつも少しだけ早足で、広告もネオンも、人の気配も、同じ速度で流れていく。けれど新館の上階へ上がるほど、その流れはゆっくりになる。耳に入るのは、会話の粒と、湯の落ちる音。紙コップが触れ合う軽い響き。豆の袋を撫でる指先の摩擦... -
喫茶録
正解は、コーヒーに訊け。|Outsiders 、終幕のホット](銀座コーヒーフェスティバル)
最後の記事にふさわしいのは、派手な一杯よりも、静かに“芯”が残るものだと思っていた。その予感は、青いテーブルクロスと、箱の横で流れていた映像と、そして本の背表紙で確信に変わる。 Outsidersは、コーヒーを売りながら、同時に「コーヒーの背景」を...