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風味の層をほどく、長崎の一杯|Layers coffee (Japan Coffee Journey in SHINJUKU)

会場の光は強いのに、コーヒーの前だけ少し静かになる。
白いカウンター、積まれた筒状のパッケージ、カップの縁でゆっくりほどけていく香り。

Layers coffeeのブースは、派手に語りかけてこない代わりに、
「味の層(Layers)」で話してくる。
ひと口目は入口としてのバランス。ふた口目はフルーティーの芯。
最後は技術の匂いが濃い“イノベーション”――。

この並び順そのものが、体験の設計になっていました。

第一章|Layers coffeeという店:入り口を広く、奥行きを深く

お話の中心にあったのは、「尖らせる」より先に「迎え入れる」という考えでした。

長崎のお店には、スペシャルティに慣れていない方も含めて幅広い客層が来る。
だからこそ、まず“入口としての一杯”を用意している。
一方で、飲み慣れた人が「もう少しパンチがほしい」と感じたときのために、
フルーティーの強度が高い豆も置く。そして最後に、いまの新技術を取り入れたイノベーション系で、
驚きの層を重ねる。

この三段は、メニューの説明というより、店の思想の並べ方でした

第二章|会場で飲んだ順に:三つのコロンビアで“層”を体験する

① Colombia / La Virginia(入口のバランス)
最初の一杯は、「個性はあるのに、パンチが強すぎない」を狙ったバランス型。
ライムの明るさが先に立ち、そのあとにグリーンアップルの“はっきりした酸”が追いかけてきます。
香りは軽やかで、酸が輪郭を持ちながら、飲み疲れしない位置で収まる。
入口の一杯は、説明が少ないほど強い。飲んだ瞬間に「わかる」からです。

豆情報(購入ページの表示より)
国:コロンビア
地域:ウィラ州(タルキ県 タブロン・デ・ベルヒカ表記)
農園:ラ・ビルヒニア
精製:ウォッシュド(Fully Washed)
標高:1,800m
焙煎:浅煎り(Light roast)
フレーバー:ライム/グリーンアップル/シロップ
内容量・価格:150g/¥3,200



② Colombia / El Diviso(フルーティーのパンチ)
二杯目は「スペシャルティに飲み慣れている人が、よりパンチを求めるときにすすめる」位置づけ。
この“飲みやすさ”は、弱さではなく、果実の丸さ。酸の角が取れて、口の中で果汁が広がる方向です。
豆情報(購入ページの表示より)
国:コロンビア
地域:ウィラ(ピタリト表記)
農園:エル・ディビソ
品種:ティピカ メホラード(Typica Mejorado)
精製:ウォッシュド
標高:1,750–1,850m
焙煎:浅煎り(Light roast)
フレーバー:オレンジ/マスカット/ラクティック
内容量・価格:100g/¥2,800

③ Colombia / Strawberry Infused(イノベーションの強度)
最後は、いわゆるイノベーション系。
「新しい技術を取り入れている」「フレーバーの強度が高い」「ラテにしても香りとテイストがしっかり出る」――この言葉が、そのまま味に直結していました。
ストロベリーの甘みの中にある酸味が“はっきり”出て驚いた。
甘いのに、ぼやけない。香りが強いのに、輪郭がある。
“香りだけで終わらない”というのが、強度の正体です。
この一杯は、体験に「驚きの層」を一段重ねてくる。

第三章|ブースの見え方:色彩と文字が、味の設計図になる

Layers coffeeのパッケージは、抽象画のような色の重なりが印象的でした。
その横で、カードに並ぶのは SWEET/ACIDITY/BITTER の指標。
つまり、視覚で「だいたいの座標」を渡してから、口で“答え合わせ”をさせる設計です。

ラインナップも幅がある。
たとえば――
DIRECT FIRE BLEND(Medium Dark Roast)
ペルー(Washed)×エチオピア(Natural)
風味メモ:Fruits/Tomato/Grapefruit/Herbal
150g/¥2,100(税込)
COLOMBIA La Virginia(Light Roast)
風味メモ:Lime/Green Apple/Syrup
150g/¥3,400(税込)(※会場カード表記)
ブレンドで奥行きを作り、シングルで果実を立たせる。
この振り幅が、店の“”の厚みです。

所作メモ|インフューズドは「ミルクに逃がしても負けない」

当日の説明は明快でした。
1杯目:バランスの入口(慣れていない人にも届く)
2杯目:フルーティーのパンチ(飲み慣れた人の欲求に刺す)
3杯目:イノベーション系(強度が高く、ラテでも負けない)

”を語るというより、飲み手の段差に合わせて橋を架けていく。
その橋の作り方が、すでに店の技術

家での再現TIP|Layers coffee 推奨レシピ

共通
ドリッパー:HARIO V60
湯温:89℃
0:40/1:30/-2:30 のタイムラインを守る(=味の設計図)
Hot coffee(Hand Drip)
レシピ
豆:15g
湯:240cc
湯温:89℃
手順(注湯量)
0:00 60cc(満遍なく)
0:40 60cc(再び満遍なく)
1:30 120cc → ドリッパーを軽く回す(壁の粉をお湯に触れさせる)
-2:30 落ち切ったら抽出完了
狙い(豆別)
La Virginia:ライムの明るさ→青林檎の酸の輪郭が出やすい
El Diviso:果実の丸みが出て、マスカットが前に出る
インフューズド:香りの強度が高く、Hotは驚きが出やすい

ペアリング|「果実の輪郭を、白で受け止める」

La Virginia × 塩系バタークッキー
青林檎の酸が、塩で立って、後味が軽くなる。

El Diviso × ヨーグルト系(チーズケーキ/レア系)
ラクティックが共鳴して、マスカットの丸さが伸びる。

ストロベリーインフューズド × ミルク(ラテ)/バニラ系
苺の甘みが広がっても、酸が残る。香り負けしない。

買うならこの2本|迷ったときの指針

・入口の美しさ:Colombia La Virginia(ウォッシュド)
「明るいのに疲れない」 を家で再現できる。日常の軸になる。

・驚きの強度:Strawberry Infused Colombia
ラテでも残るタイプ。家で“遊びの層”を足せる。

喫茶叙景文 ~白い台の上で、果実が目を覚ます~

白い台の上に、色が重なっている。
青、緑、赤。刷毛の跡みたいに滲んで、境目が柔らかいのに、全体は不思議と崩れない。

ひと口目。
ライムが先に来る。明るさが先に来て、そのあとに、青林檎の酸が輪郭を持って立ち上がる。
酸は尖っていない。けれど曖昧でもない。“入口”という言葉の意味が、舌の上で静かにほどける。

ふた口目。果実が太くなる。マスカットが、香りと一緒に丸く広がって、飲みやすさというより、口の中の余白を増やしていく。フルーティーは派手さではなく、厚みなのだと気づく。
層が増えると、音が増える。小さな音が増える。

最後の一杯。苺が濃い。甘いのに、酸がはっきりある。甘みの奥に隠れている酸ではなく、
甘みと並んで立っている酸。香りが強いというのは、ただ鼻に残ることではない。
味の輪郭として、最後まで残ることなのだと、驚きが遅れてやってくる。

人が行き交う場所で、コーヒーだけが立ち止まらせる。香りが、時間の歩幅を変える。
層を重ねるというのは、派手に盛ることではなく、飲み手の呼吸に合わせて順番を並べること。

紙袋の中で、豆はまだ静かだ。けれど家に着いたら、湯温は89℃で、
0:40と1:30に小さな決まりがある。決まりがあるから、香りは自由になる。
層は、何度でもほどける。

店舗概要

1 住所:

熊本県熊本市中央区春竹町大字春竹486−1 CLAMPY 1F

2 アクセス:

―JR豊肥本線「平成駅」から徒歩約6分

3 営業時間:

― 10:00 〜 18:00
定休日: 不定休(最新のスケジュールは 公式Instagram を確認)

4 備考:

浅煎りへのこだわり: 豆が持つフルーティな香りや酸味を活かすため、浅煎りをメインに取り扱っています。

5公式Instagram:
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