ブースの棚に、見覚えのある青があった。
ISE-SHIMA SUMMIT Blend Coffee――
それは、伊勢へ友人と旅した帰り、五十鈴川カフェでお土産に選んだ香りだ。
袋の角、地図の輪郭、白抜きの日本列島。
小さな印刷なのに、記憶のほうが先に息をする。
人の流れに押されて歩いていた足が、そこで止まる。
旅は終わっていなかったのだ、と気づかされる。
思い出は“飲み物”ではなく、ふいに戻ってくる温度だ。
第一章|NAKAMURA COFFEEは「伊勢の記憶を持ち帰らせる」焙煎所
NAKAMURA COFFEEのブースは、試飲で勝負するというより、“選ぶ時間”そのものを設計していた。
棚には、旅先の余韻を持ち帰るための形が揃う。
ドリップバッグは色と名前で気分を変えられ、缶(オリジナルキャニスター)は“保存”を“飾る”側へ寄せる。
さらに、コーヒーだけで終わらない――珈琲ようかん、珈琲ゼリー(ふるふる)、そして瓶のカフェオレの素。
コーヒーを「飲む」だけでなく、「暮らしに置く」ための周辺がきちんとある。
そして何より、旅の象徴がある。
伊勢志摩サミットブレンド。パッケージには、G7伊勢志摩サミット2016の場で“おもてなし”に使われた旨が印刷されている。
観光土産の言葉ではなく、土地の肩書きとして、静かに立っている。

第二章|再会の一杯:伊勢サミットブレンドが呼び戻すもの
旅先のカフェで買ったとき、このブレンドは「ちゃんとしている」のに、押しつけがましくなかった。
華やかに跳ねないのに、芯があり、飲み終えたあとに“伊勢の空気”みたいな余白が残った。
ブースで見つけた瞬間の足止まりは、味の記憶というより、同行者との時間や、
川沿いの静けさに触れたからだと思う。紙袋の底で擦れる音まで、思い出は細部で帰ってくる。

第三章|持ち帰りの棚:ドリップバッグは「気分の辞書」になっている
今回のラインナップは、旅と日常の両方を支える構成だった。
・ありがとうブレンド(Thank You):言葉を贈れる赤。軽い手土産が“気持ち”として成立する。
・Decaf Mexico:パッケージに「化学薬品を使わず安全に処理したカフェインレス」の記載。
夜にも寄り添う設計。
・ISE(伊勢)/SHIMA(志摩):土地の名前が、そのまま選ぶ理由になる。
・神馬 -Shinme-(Dip Style coffee):抽出が“浸す”タイプで、道具が少ない日にも向く。
・伊勢志摩サミットブレンド:物語が印刷されている、旅の核。
“コーヒーを買う”ではなく、その日の自分に合う出口を選ぶ感じがする。
飲み切ったあとも、袋のデザインが記憶を留めるからだ。

所作メモ|ドリップバッグを「薄くしない」ための手順
ドリップバッグは、雑にすると香りだけ先に抜けて、味が追いつかない。
だから順番を守る。
1:最初は少量で蒸らす(10〜20秒)
2:その後、2〜3回に分けて注ぐ
3:カップの縁に当てず、粉の中心に落とす(香りが“立ち上がり”になる)
ドリップバッグは“手軽さ”ではなく、“失敗しにくさ”を味方にする道具だ。
家での再現TIP|旅のコーヒーを、日常の机へ戻す
ペアリング|「甘さの当て方」で、コーヒーは完成する
ここは、店の方の言葉をそのまま残したい。
「酸味の強いものにはチーズケーキとか。」
「深入りだったり、しっかりコクや苦味があるものにはチョコレートケーキとか。」
「あとティラミスですね。エスプレッソかけているので、うちのお店では。」
「そういったしっかり味がするものをおすすめしています。ぜひ参考にしてください。」
要するに、甘いものは“添え物”ではなく、味の設計図になる。
酸味にチーズケーキを当てると、角が丸くなって、果実感が“クリームの奥”へ沈む。
深煎りにチョコやオペラを合わせると、苦味が“芯”になり、余韻が甘い方向へ伸びる。
ティラミスは、エスプレッソの気配が橋になる――コーヒーと菓子が同じ線を歩ける。
買うならこの2本|迷ったら、旅と夜を選ぶ
① 伊勢志摩サミットブレンド:旅の記憶を確実に持ち帰れる、物語のある一杯。
② Decaf Mexico:日常の夜に置ける。“飲める時間”が増えると、コーヒーは生活の味方になる。

喫茶叙景文 ~赤い小袋が、遠い川の音を連れてくる~
店舗概要
- 1 住所:
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三重県伊勢市宮後3-7-25
- 2 アクセス:
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―R・近鉄「伊勢市駅」から徒歩約10分
- 3 営業時間:
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―10:00 〜 17:00
定休日: 火・水曜日(詳細はSNSを確認) - 4 備考:
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新店舗「おかげ横丁店」: 2025年12月、伊勢神宮内宮近くのおかげ横丁に新店舗がオープンしました。参拝の際の食べ歩きや休憩に最適です。
- 5公式Instagram:










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