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和菓子の余韻、ラテの温度|菓匠 幹栄 × CafeLatte57℃さいたま COFFEE FESTIVAL)

イベントの会場で、甘いものの前に立つ時間は少し特別だ。
コーヒーの香りだけを追って歩いているつもりでも、ふと視線を止めるのは、焼き菓子の色や、
包み紙の質感や、手に取ったときの小さな重みだったりする。

菓匠 幹栄 × CafeLatte57℃という名前には、少し不思議な響きがある。
「菓匠」という和の言葉と、「CafeLatte57℃」というカフェの温度感。
そのふたつが並んでいるだけで、ただの和菓子屋でも、ただのカフェでもないことが伝わってくる。

和菓子、洋菓子、そしてコーヒー。
それぞれが別々の方向を向いているようでいて、実はどれも“ひと息つくためのもの”だ。
忙しい日常の途中で、手を止める。袋を開ける。香りを確かめる。口に含む。そこに飲みものがある。

今回の出会いは、そんな甘さと一杯の距離を思い出させてくれるものだった。
コーヒーは、苦味だけで記憶に残るわけではない。隣にある菓子の甘さによって、輪郭を変えていく。

第一章|菓匠 幹栄 × CafeLatte57℃という店:和菓子、洋菓子、カフェが同じ場所にある意味]

菓匠 幹栄 × CafeLatte57℃は、埼玉県桶川市にある、和菓子・洋菓子・カフェが同居する店だ。
名前の通り、菓子をつくる店としての顔と、コーヒーやカフェを楽しめる場所としての顔を持っている。

この組み合わせは、ありそうでいて、実はとても面白い。
和菓子は、お茶と結びつく印象が強い。洋菓子は、紅茶やコーヒーと並ぶことが多い。
けれど、現代の喫茶の楽しみ方は、もう少し自由だ。あんこの甘さに浅煎りを合わせてもいい。
焼き菓子にラテを合わせてもいい。しっとりした菓子に、深めのコーヒーを添えてもいい。
菓匠 幹栄 × CafeLatte57℃の魅力は、この“自由さ”にある。和と洋、菓子とカフェ、
持ち帰りとその場の一杯。その境目をきれいに分けすぎず、日常の中で自然に並べているように見える。

イベント会場で出会うお店には、どうしても一瞬の印象がある。看板、商品、接客、並んだ菓子の表情。
その短い時間の中で、「この店は何を大事にしているのか」が少しだけ見えてくる。

今回感じたのは、“お菓子を中心にしながら、飲みものまで含めて時間を設計している店”ということだった。

第二章|会場で目を引いたもの:手に取りたくなる焼き色と、持ち帰れる余韻

イベントで菓子のブースを見ていると、最初に目に入るのは味ではなく、色だ。
焼き菓子のきつね色。袋越しに見える生地の表面。少し光を受けた包装。
食べる前から、どんな食感なのか、どんな甘さなのかを想像させる。

菓匠 幹栄 × CafeLatte57℃の菓子には、派手な装飾で引き寄せるというより、
日常に持ち帰りたくなる落ち着きがあった。
イベントで買うものは、その場で食べるためだけのものではない。
家に帰ってから、机の上に置いて、少し疲れた夜や翌朝に開ける。その時間まで含めて、購入体験になる。
焼き菓子は、その意味でとても強い。
コーヒー豆やドリップバッグと同じように、袋の中に“後日の時間”を閉じ込められるからだ。

その場の熱気、会場の声、歩き疲れた足、手提げに増えていく小さな袋。
家に帰ってから開けたとき、菓子はただのお土産ではなく、
イベントの記憶をもう一度ほどく鍵になる。

その日すぐに食べなくても、香りは遅れてやってくる。
イベントの余韻は、紙袋の中で静かに熟している。

第三章|家に連れて帰る一杯:HATSU BLENDのドリップパック

会場で目に留まったのは、菓匠 幹栄とCafe Latte57℃の名前が並ぶ
オリジナルブレンドのドリップパックだった。

茶色のパッケージには、エプロン姿の猫たちが描かれている。
菓子を扱う店らしい柔らかさと、コーヒーを淹れる時間の少しだけ真面目な空気。
その両方が、一枚の袋の中に収まっていた。

ブレンド名はHATSU BLEND。
使用されている豆は、ブラジルとエチオピア。

ブラジルは、Carmo de Minas、Minas Gerais、900〜1100m、Peaberry。
エチオピアは、Shakiso、1850〜2200m、Heirloom。

ブラジルの丸みと、エチオピアの明るさ。
お菓子に寄り添うための穏やかさを残しながら、ただ甘いだけでは終わらない香りの輪郭がある。

店頭では焼き菓子と並んで置かれていて、コーヒー単体というより、
家で菓子と合わせるための一杯として見えてくる。
フロランタン、フィナンシェ、桶川ゆずパウンド。木箱の上に並ぶ焼き菓子の横に、
このドリップパックが置かれているだけで、もう組み合わせの景色ができあがっていた。

会場で飲む一杯とは別に、帰宅後の余韻を続けるための小さな袋。
その距離感が、このドリップパックのよさだった。

家での再現TIP|イベント後の一袋を、喫茶の時間に変える

ドリップパックの裏面には、かなり丁寧な抽出レシピが記されている。

使用するお湯は85〜90℃。
コーヒー豆は13g。
はかりとスマホのストップウォッチを使いながら淹れる設計になっている。

抽出の流れは、まず0:00で30g注ぐ。
500円玉ほどの大きさの円を描くように、粉全体を湿らせる。

0:25で70gを追加し、全体量を100gへ。
1:00でさらに50gを注ぎ、150g。
1:25で50gを足し、200g。
最後に1:40で中心へ20g注ぎ、合計220gまで持っていく。

終了の目安は2:30。
時間に達する、もしくはお湯が落ちきったところでフィルターを外す。

味を調整したい場合は、5投目の湯量を変える。
濃く出したいときは湯量を控え、軽くしたいときは飲む前に少しお湯を足す。
この案内があることで、ドリップパックでありながら、ただ簡単に淹れるだけではない。
自分の好みに近づける余白が残されている。

菓子と合わせるなら、やや濃いめに落として、フィナンシェやフロランタンのバター感を受け止めるのがよさそうだ。
ゆずパウンドに合わせるなら、少し軽めに整えると、柑橘の香りが沈まずに立ち上がる。

ペアリング|甘さをほどく、白い余韻

焼き菓子や和菓子をコーヒーと合わせるとき、見るべきところは“甘いかどうか”だけではない。
大切なのは、油脂感・水分量・香ばしさ・余韻だ。

しっとりした菓子には、口の中に残る甘さがある。
そこにすっきりしたコーヒーを合わせると、甘さの輪郭が整う。
逆に、ミルク感のあるラテを合わせると、菓子のやさしさがさらに丸くなる。

菓匠 幹栄 × CafeLatte57℃のように、和菓子・洋菓子・カフェの要素が並ぶ店では、
ペアリングの幅が広くなる。
あんこ系の菓子なら、深煎りや中深煎りのコーヒーが合いやすい。
あんこの甘さとコーヒーの苦味がぶつかるのではなく、香ばしさの部分で手をつなぐからだ。

焼き菓子なら、ナッツ感やバター感を拾うコーヒーが合う。
ブラジルやグアテマラのような、チョコレート、ナッツ、穀物感のある豆は、
菓子の焼き色と相性が良い。

ラテに合わせるなら、菓子側は少し甘さがある方が楽しい。
ミルクの丸さと菓子の甘さが重なり、コーヒーの苦味が後ろから支える。
そこで生まれるのは、強い驚きではなく、安心して飲み進められる喫茶の時間だ。
菓子とコーヒーは、主役を奪い合わない。
片方が甘さを置き、もう片方がその余韻に影を落とす。

買うならこの方向性:菓子とコーヒーを一緒に持ち帰る

菓匠 幹栄 × CafeLatte57℃で選ぶなら、まず見たいのは、お店らしさが出ている菓子だ。
和菓子と洋菓子の両方を扱う店だからこそ、どちらか一方ではなく、
可能なら“和の甘さ”と“洋の焼き菓子”をそれぞれ試したくなる。

イベントでは一度にたくさん買いすぎると、後で食べきれなくなることもある。
選び方としては、次の形がちょうど良い。

ひとつは、すぐ食べるための菓子。
もうひとつは、家でコーヒーと合わせるための菓子。

これだけで、イベント当日と帰宅後の二回、楽しみが生まれる。
特に焼き菓子は、持ち帰ってからのペアリングに向いている。
ドリップバッグや家の豆と合わせれば、会場での記憶がそのまま家の机につながる。

買って終わり”ではなく、“帰ってから完成する”。
この感覚は、コーヒーイベントの記事においても、とても大事な視点だ。

菓匠 幹栄 × CafeLatte57℃は、単なるスイーツ枠ではなく、
コーヒーと菓子の接点を語れる店になる。
和菓子、洋菓子、ラテ。この三つが同じ名前の中にあるからこそ、
喫茶の幅を広げる記事にできる。

喫茶叙景文 ~甘さの奥に、湯気が立つ~

イベントの音は、帰り道に少しずつ遠ざかっていく。
会場ではあれほど近かった声も、湯気も、看板の色も、駅へ向かう足取りの中で輪郭をやわらげていく。

それでも、手の中には残るものがある。
袋の角。包み紙の手触り。家に帰ってから開けるつもりの、小さな甘さ。

菓匠 幹栄 × CafeLatte57℃という名前を思い出す。
和菓子の静けさ。洋菓子の焼き色。ラテの白い温度。
それらがひとつの場所に並ぶとき、喫茶は飲みものだけの時間ではなくなる。

甘さは、急がない。
コーヒーもまた、急がせない。

机の上に袋を置き、湯を沸かす。
カップを出し、豆を量り、湯気を待つ。
その間、イベントの記憶は少しずつほどけていく。
歩いた道、話した声、見上げた空、手渡された菓子。

口に含む前から、もう時間は始まっている。
焼き菓子の甘さが舌にほどけ、コーヒーの苦味があとから静かに重なる。
華やかな驚きではない。
けれど、こういう余韻こそ、長く残る。

会場で出会ったものが、家の机で別の表情を見せる。
その変化まで含めて、ひとつの巡礼だったのだと思う。
紙袋は空になっても、香りだけが少し残る。
夜の部屋に、湯気の白さが細く立つ。
甘さの奥に、今日歩いた場所の気配がまだ沈んでいる。

店舗概要

1 住所:

埼玉県桶川市朝日1-26-10

2 アクセス:

電車: JR高崎線「北上尾駅」(東口/西口)から徒歩約15〜16分

3 営業時間:

― 0:00〜17:00定休日: 火曜日・水曜日(祝日の場合は変更あり)

4 備考:

菓匠 幹栄 × Cafe Latte57℃は、和菓子・洋菓子・コーヒーを同じ店舗内で楽しめる店。桶川産のもち米や埼玉県産の小麦・たまごなど、地元の素材を大切にしている。
和菓子は、かしわ餅、桶川だんご、練切、水ようかん、季節限定のあまりん大福など。洋菓子は、旬の果物を使ったケーキ、タルト、モンブラン、プリンなどが並ぶ。
店名の「57℃」は、ミルクの甘みが最も引き立つ温度に由来する。スペシャルティコーヒーのエスプレッソと、57℃にスチームされたミルクを合わせるカフェラテが看板。イベントでは、ブラジルとエチオピアを使ったHATSU BLENDのドリップパックも販売されていた。

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