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BIKAS COFFEE|ネパールの山奥から届く、日常に寄り添う一杯(HandMade In Japan Fes’ )

ハンドメイドジャパンフェスの会場を歩いていると、手仕事の熱気の中に、
ひときわ静かな物語をまとったブースがあった。

白い布に黒く描かれたロゴ。並ぶドリップバッグ。背後には、ネパールの農園で働く人々の写真。
そして、コーヒーの実から生まれたチェリーシロップ。

そこにあったのは、単なるコーヒーの販売ではなかった。
一杯の向こうにある土地、人、暮らし、仕事までを伝えようとする姿だった。

今回訪れたのは、BIKAS COFFEE。

以前にも出会ったことのある再訪店だが、今回あらためてブースに立つと、
このブランドが持つ視線の深さがよりはっきりと見えてきた。
コーヒー豆を売るだけではない。
ネパールの山奥で育つ希少なコーヒーを、日本の暮らしへ届ける。
その過程で、現地の雇用、農家の収入、廃棄される資源の活用までを見つめている。

「BIKAS」とは、ネパール語で発展を意味する言葉。
その名の通り、このコーヒーは味だけではなく、地域の未来を運んでくる一杯でもある。

第一章 BIKAS COFFEEという、発展を届けるコーヒー

BIKAS COFFEEは、ネパールの希少なコーヒー豆を扱うブランドだ。

ネパールの山奥、アグロフォレストリーの環境で育つコーヒー。
自然の中で他の植物と共に育ち、強すぎる個性ではなく、やわらかく身体に馴染むような風味を持つ。

ブースに掲げられていた説明には、BIKAS COFFEEの姿勢がはっきりと表れていた。

ネパールの村で廃棄される資源を活用すること。
商品化によって新たな価値を生み出すこと。
村に仕事を生み出し、農家の収入を底上げすること。
森林農法を維持し、森と暮らしを守ること。

つまり、BIKAS COFFEEは「おいしいコーヒーを届ける店」であると同時に、
コーヒーを通じて生産地の循環を支えるブランドでもある。

この姿勢は、イベント会場でもよく伝わってきた。
農園の写真、精製工程の紹介、コーヒーチェリーシロップの展示。
一つひとつが、飲み手に「この一杯はどこから来たのか」を考えさせてくれる。

再訪して感じたのは、前回よりもさらにその軸が明確に見えたことだ。
BIKAS COFFEEの魅力は、派手な演出ではない。
静かに、しかし確かに、ネパールの土地と人の営みをこちら側へ手渡してくるところにある。

第二章 コーヒーの“果実”まで届けるという考え方

BIKAS COFFEEのブースで印象的だったのが、コーヒー豆だけでなく、
コーヒーチェリーから作られたシロップも並んでいたことだ。

普段、私たちが飲んでいるコーヒーは、
コーヒーチェリーという果実の種子の部分を焙煎したものだ。
しかし、その外側にある果肉は、地域によっては廃棄されてしまうこともある。

BIKAS COFFEEは、その果肉に新しい価値を見出している。
コーヒーの実から生まれたシロップ。
それは、ただ珍しい商品というだけではない。
今まで捨てられていたものを活かし、生産地に新たな仕事と収入を生む仕組みでもある。

ブースの説明には、
チェリーシロップについて「甘酸っぱく、ソーダやミルクと楽しめる」と紹介されていた。
コーヒー豆だけでなく、果実そのものにも光を当てる。
この視点が、BIKAS COFFEEらしさの一つだと感じた。

一杯のコーヒーを飲む時、私たちはどうしても液体としての味だけに目を向けがちだ。
だが、BIKAS COFFEEの前に立つと、その一杯が生まれる前の景色まで見えてくる。
赤く熟した実を摘む人。
果肉と種子を分ける作業。
乾燥され、選別され、ようやく豆として届く道のり。

ここには、コーヒーを「商品」ではなく、果実から始まる物語として届けようとする姿勢がある。

第三章 購入したドリップバッグ|ネパールの山奥から届く緑の一杯

今回購入したのは、BIKAS COFFEEのドリップバッグ。

白いパッケージに緑のイラスト。
葉の中に潜り込むようなキャラクターが描かれた、印象に残るデザインだった。
表面には「BIKAS GREEN HARVEST」の文字。
見た目からも、自然や農園とのつながりを大切にしていることが伝わってくる。

裏面には、ネパールの山奥でアグロフォレストリーにより育つ、
希少で上質なコーヒー豆についての説明が記されていた。
豆の生産地は、ネパール国カスキ郡ハルパン村。
内容量は12g。
一般的なドリップバッグよりもしっかりと豆量があり、抽出にも少し特徴がある。

実際に淹れてみると、最初に感じたのは、やわらかな甘みだった。
苦味で押すタイプではない。
強い酸で印象を作るタイプでもない。
口に含んだ瞬間、穏やかな甘みが先に来て、その後にやさしい香ばしさが残る。

コーヒー自体に自然な甘みがあり、非常に飲みやすい。
まるで、朝の食卓にも、夜の静かな時間にも違和感なく置けるような一杯だった。

派手なフレーバーで驚かせるのではなく、気づけば手が伸びる。
そういう日常性が、このドリップバッグにはある。

所作メモ|浸す時間がつくる、やわらかな甘み

BIKAS COFFEEのドリップバッグは、一般的な上から注ぐだけのタイプとは少し印象が違う。
抽出手順を見ると、浸漬式に近い要素がある。

まず、バッグを開いてカップにセットする。
最初に約30mlのお湯を注ぎ、60秒ほど蒸らす。
その後、さらに約160mlのお湯を注ぐ。
バッグを上下に軽く動かし、約4分ほど待つ。
最後にバッグを取り出して完成。

この「待つ時間」が重要だ

短時間で勢いよく落とすのではなく、湯の中でじっくり成分を引き出す。
だからこそ、ネパールコーヒーの穏やかな甘みや、やさしいコクが出やすいのだと思う。

抽出後の一杯は、角が少ない。
飲み口に丸みがあり、冷めても大きく崩れにくい。
朝に慌ただしく飲むよりも、少し時間を置いて、温度変化を見ながら飲むと面白い。

熱いうちは香ばしさ。
少し冷めると、甘みの輪郭が見えやすくなる。
さらに温度が下がると、軽い果実感が奥から出てくる。

ドリップバッグでありながら、ゆっくり味を見ていける。
この手軽さと奥行きの両立が、BIKAS COFFEEの魅力の一つだ。

ペアリング|朝にも夜にも、食卓に置けるコーヒー

スタッフさんのメモとして印象的だったのは、
BIKAS COFFEEのコーヒーがモーニングでも夜の一杯でも、何にでも合うという点だった。

実際に飲んでみると、その言葉がよくわかる。
香りや苦味が強く主張しすぎないため、合わせる相手を選びすぎない。
特別なスイーツに寄り添うだけでなく、普段の食事の中にも自然に入ってくる。

朝なら、トーストやバター、卵料理、ヨーグルト。
軽い焼き菓子や素朴なパンにも合う。

昼なら、サンドイッチや軽食。
野菜やチーズを挟んだパンにも、コーヒーのやわらかい甘みがうまく寄り添う。

夜なら、甘さ控えめの菓子や、ミルク系のデザート。
作業中や読書の横に置いても、重たくなりすぎない。

このコーヒーは、何かを強く演出するための一杯ではない。
日常の余白に置くための一杯だ。

だからこそ、ペアリングの幅が広い。
食事を邪魔せず、甘いものにも寄り添い、単体でも静かに楽しめる。
「毎日飲める」という言葉が似合うコーヒーだった。

買うなら|まずはドリップバッグから、次にチェリーシロップへ

BIKAS COFFEEに初めて触れるなら、まずはドリップバッグが良い。

理由は、抽出のハードルが低く、ネパールコーヒーのやわらかい甘みを自宅で試しやすいからだ。
器具を持っていなくても楽しめる。
それでいて、しっかり蒸らしと浸す時間を取れば、味に奥行きが出る。

今回のようなイベントでは、ドリップバッグの小分けパックも手に取りやすい。
何杯か飲んでみて、ネパールコーヒーの穏やかさが自分に合うと感じたら、
次はコーヒーチェリーシロップも試してみたくなる。

チェリーシロップは、BIKAS COFFEEの思想をより強く感じられる商品だ。
コーヒーの実を活用し、廃棄されるはずだった果肉に価値を与える。
味わうことが、そのまま生産地の循環に触れる体験になる。

コーヒー豆だけではなく、コーヒーの実全体を見つめる。
そこに興味がある人には、特に印象に残るはずだ。

BIKAS COFFEEは、単に「珍しいネパールコーヒーを買う場所」ではない。
一杯を通して、知らなかった土地の暮らしへ少し近づくための入口だ。

喫茶叙景文 ネパールの山から、日常のカップへ

白い袋に描かれた緑の絵柄を見ながら、湯を注ぐ。

最初は少しだけ。粉が湯を吸い、静かに膨らむ。
そのあと、残りの湯を注ぎ、しばらく待つ。

待つ時間の中で、コーヒーは少しずつほどけていく。急がない。
強く主張しない。ただ、湯の中にネパールの山の気配を移していく。

口に含むと、苦味よりも先に甘みが来た。
遠くの土地で育った豆なのに、どこか日常に近い。
朝の台所にも、夜の机にも置ける。
特別な一杯でありながら、毎日の中に溶け込む余白を持っている。

コーヒーの実があり、収穫する人がいて、果肉があり、
種子があり、そこから一杯が届く。
その道のりを思うと、目の前のカップが少しだけ広く見えた。

BIKAS COFFEEの一杯は、遠いネパールの山から届いたものだった。
けれど、飲み終えたあとに残ったのは、遠さではない。
静かな甘みと、暮らしに寄り添う近さだった。

店舗概要

1 住所:

東京都文京区関口1丁目23-6 プラザ江戸川橋 112

2 アクセス:

―東京メトロ有楽町線「江戸川橋駅」1a出口から徒歩1〜2分

3 営業時間:

平日: 8:00 〜 17:00(※サマータイム等の時期により7:00〜20:00営業の場合あり)
土日祝: 9:00 〜 18:00
定休日: 基本的に年中無休(イベントや特定期間に臨時休業や時間変更あり)

4 備考:

ネパール産コーヒーを扱うコーヒーブランド。
「BIKAS」はネパール語で「発展」を意味する。
ネパールの山奥で育つ希少なコーヒー豆を届けながら、雇用支援、地域開発、資源活用を目指している。

5公式サイト:

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