住宅街の朝は、音が少ない。
自転車のブレーキがひとつ鳴って、角を曲がると、白い壁の内側に、
やわらかな色が灯っている。
ここは 大泉学園 の、生活の速度に合わせて呼吸している店。
派手な演出ではなく、日々の「いつもの」を、少しだけ気持ちよくしてくれる場所があるだけ。
“目立つより、続くこと。”
この店を包む空気には、その哲学が静かに混じっていた。
第一章|店名に宿るもの──「LANI」の意味
店名の LANI は、ハワイの言葉で「天国」「美しい」「天使」といった意味を持つという。
オーナーさんはハワイが好きで、店のコンセプトもそこから生まれた。
開業のきっかけは、少し意外で、そして現実的でした。
この場所にご両親が引っ越してくる予定があり、
家を建てる段階で「店として使えるように」相談して、今の形になったとのこと。
こちらでお店を続けている──生活の線の上に、店がある。
だから自然に「地域の店」になっていくのだろう。
第二章|珈琲のこだわりは、背伸びをしないこと
コーヒーは、基本 ハンドドリップ。
器具は メリタ を使用しています。喫茶店で働いていた頃から馴染みがあり、
「美味しいコーヒーを出せる」と聞いたことも選択の背景にあるらしい。
豆は、普段はブレンドを仕入れて提供。
ただ、ときどき“ハワイに行った人に頼んで、ハワイの豆を買ってきてもらう”こともあるとのこと。
「こっちじゃ本当に飲めないようなもの」が出る日がある
──その言葉が、ささやかな宝探しみたいで好きだった。


第三章|看板はスパムおむすび──試行錯誤の末に残った三つ
この店の看板は スパムおむすび。
味は 照り焼き/黒こしょう/わさび の3種。
オーナーいわく「いろいろ試した中で生き残った3つ」。
油は使わず焼いて、味は整え、海苔は 味海苔 を使う。
“軽さ”と“香ばしさ”が両立するのは、こういう小さな選択の積み重ねだと思う。
そして、面白い話がひとつ。
常連さんは最終的に 黒こしょう を選ぶようになるらしい。
好みが「優しさ」から「癖」へ移っていく感じ。店が日常に入り込んでいる証拠みたいだった。


第四章|地域の店としての強さ──「二日に一回」の距離
来店する方は、歩いて来れる、自転車で10分以内──そんな距離感が中心。
仕事の途中に立ち寄る人もいて、年齢層は少し高め。
この店は、観光地のカフェではなく、生活の“途中”にあるカフェ。
その立ち位置が、この店の強さになっている。
また、料理については「お客さんの要望で増えていった」という話が印象的でした。
作って、喜ばれて、定番になる。
店が“作りたいもの”だけで閉じず、地域の声で成長している。
素材については、国産への強い縛りというより、なるべく国産を使って料理を作りたいという方針。
はちみつやにんにくなど難しいものもあるけれど、少々高くてもそちらを選び、
できる限り手作りに寄せる。
この線引きが、日々の安心感につながっているのだと思います。

所作メモ|この店の一杯は「速度」が整っている
・抽出はハンドが基本:手の動きが“急がない”ので、店内の空気も落ち着く。
・器具はメリタ:喫茶店らしい安定感と、味の再現性。
・ラテ類はマシン:役割分担が明確で、提供がぶれにくい。


ペアリング|「塩気が、甘さを連れてくる
- スパムおむすび × ブラックコーヒー:塩気が輪郭を作り、後味がすっと立つ。
- (土日限定)ケーキ系 × コーヒー:甘さは強くても、店の空気が軽いので重くなりにくい。
- コーヒーゼリーが出る日は、“苦みの濃淡” を楽しめるのでおすすめ。
買うならこの2本|ここでは「この2つ」を選びたい
豆の販売情報は今回の範囲では確定できないので、代わりに“頼むならこの2つ”を置く。
・スパムおむすび(黒こしょう)
常連が最後に辿りつく味。スパイスが軽く残って、コーヒーが進む。
・(土日限定)スイーツ枠:コーヒーゼリー or チーズケーキ
この店の「やりすぎない甘さ」を知る入口。次回の目的にもなる。


喫茶叙景文 ~朝の静けさが、店の輪郭をつくる~


店舗概要
- 1 住所:
-
東京都練馬区大泉町4丁目46-12
- 2 アクセス:
-
大泉学園 周辺(駅からはバス/徒歩圏の住宅街エリア)
- 3 営業時間:
-
8:00〜18:00(目安)
- 4 備考:
-
休日は「毎週月曜+第1・第3火曜」/現金のみの表示あり/since 2017/土日限定スイーツあり
- 5公式Instagram:
















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