清瀬の町を歩いていると、店先に黒板が出ていた。
LUNCHDORAYAKIOPEN
手書きの文字には、どこか力が抜けた親しみがある。
キーマカレー、どら焼き、テイクアウト可。
大きな看板で強く呼び込むというより、
通りがかった人に「少し寄っていかないか」と声をかけるような佇まいだった。
今回訪れたのは、cafe ちぇるしー。
東京・清瀬にある、焼きたてどら焼きとキーマカレーの小さなカフェだ。
コーヒー専門店ではない。けれど、ここには確かに喫茶の時間があった。
どら焼きの皮を焼く楽しさから始まった店。
好きなキーマカレーを、身体に良いものとして届けたいという思い。
国産小麦、北海道十勝産小豆、平飼い卵。できるだけ国産や地元のものを使いたいという姿勢。
その一つひとつが、派手ではなく、まっすぐだった。
この日選んだのは、店の顔ともいえる粒あんの揚げどら焼き。
そして、その横に置いたのは、冷たいコーヒー。
どら焼きとコーヒー。和の甘みと、喫茶の苦味。
その組み合わせは、想像以上にやさしく馴染んだ。
第一章 cafe ちぇるしーという、小さな清瀬のカフェ
cafe ちぇるしーは、清瀬にある小さなカフェだ。
メニューの中心にあるのは、どら焼きとキーマカレー。
どら焼きは、粒あん、あんバター、あんバター焼き芋、キーマカレーなど、甘味にも食事にも寄せられる構成になっている。
店先の黒板には、どら焼きについてこう書かれていた。
国産小麦粉。
北海道十勝産小豆。
ひとつひとつ心を込めて、店内で作っていること。
どら焼きは、昔からある和菓子だ。
けれど、cafe ちぇるしーのどら焼きは、古典的な和菓子屋のどら焼きとは少し違う。
カフェのカウンターで食べる、軽やかな喫茶の甘味として置かれている。
店内のメニューには、コーヒー、紅茶、カフェラテ、チャイ、クラフトコーラなどが並ぶ。
さらに、どら焼きスタイルのパンケーキや、どら焼きアイスクリームもある。
どら焼きを軸にしながら、食事、甘味、飲み物へ広げていく。
その広がり方が、いかにもこの店らしい。
「どら焼きの店」と言い切れる。
でも、それだけでは終わらない。
日常の昼ごはんにも、少し甘い休憩にも、ふらりと入り込める小さなカフェだった。

第二章 どら焼きを焼き続けたい、という始まり
店主さんに、店を始めたきっかけを伺った。
きっかけは、どら焼きを習ったこと。
そして、どら焼きの皮を焼くことに楽しさを感じたこと。
その言葉が、とても印象に残った。
何か大きな計画から始まったというより、手を動かした時の楽しさから始まっている。
皮を焼く。
生地がふくらむ。
色がつく。
香りが立つ。
その小さな変化を見ているうちに、もっと焼き続けたいと思った。
そこから、cafe ちぇるしーは始まっている。
店というものは、メニューや場所だけで成り立つわけではない。
続けたいと思える手の動きがあること。
毎日向き合える好きなものがあること。
それが、店の奥にある芯になる。
cafe ちぇるしーにとって、それはどら焼きの皮を焼くことだった。
焼き続けたい。
その気持ちが、店の看板メニューになり、清瀬の町に小さな喫茶時間を作っている。

第三章 揚げどら焼きが生まれた理由
cafe ちぇるしーの面白さは、どら焼きをそのまま出すだけではないところにある。
今回食べたのは、揚げどら焼き。
揚げるようになったきっかけも、店主さんが話してくれた。
あんこの入ったサクサクのクロワッサンを食べた時、どら焼きもサクサクさせたいと思ったこと。
この発想がとても良い。どら焼きは、基本的にはふんわり、しっとりした菓子だ。
そこに「サクサク」を重ねようとする。やわらかいものに、軽い食感を加える。
和菓子の丸さに、揚げた香ばしさを足す。
焼く楽しさから始まったどら焼きが、揚げることでまた違う表情を持つ。
この変化が、cafe ちぇるしーの個性になっている。
普通のどら焼きなら、手で持ってすっと食べる。
けれど揚げどら焼きは、最初の一口に少し驚きがある。
外側に軽いサクサク感があり、中には温かなあんこがある。
どら焼きでありながら、少しだけ揚げ菓子のようでもある。
和菓子でありながら、喫茶店の軽食のようでもある。
その境目の楽しさが、揚げどら焼きにはあった。

第四章 食べたもの|粒あんの揚げどら焼き
今回選んだのは、粒あんの揚げどら焼き。
メニューの中でも、お店の顔になる一品だと思う。
紙に包まれて出てきたどら焼きは、手に持つと温かい。
丸い生地の表面には、揚げたことで生まれた軽い香ばしさがある。
半分に割ると、中には粒あん。
あんこは強く主張しすぎず、温かさを持って生地の中に収まっている。
一口食べると、まず生地のやわらかさが来る。
けれど、そのすぐあとにサクッとした食感が現れる。
この差が面白い。
ふんわりだけではない。
しっとりだけでもない。
揚げることで、どら焼きに小さな輪郭が生まれている。
粒あんは、優しい甘さ。
重たくならず、温かさと一緒に口の中に広がる。
あんこの甘みが、どら焼きの生地にそっと乗るような感覚だった。
そこにコーヒーを合わせる。
冷たいコーヒーの苦味が、あんこの甘さを受け止める。
揚げた生地の香ばしさを、コーヒーが少し引き締める。
食べ進めるほど、甘さと苦味が穏やかに重なっていく。
この組み合わせは、派手ではない。
けれど、すごく喫茶らしい。
温かな粒あん。
サクサクした生地。
冷たいコーヒー。
その三つが、清瀬の小さなカフェの中でひとつの時間になっていた。

所作メモ|焼く、揚げる、包む
第六章 キーマカレーという、もう一つの好きなもの

ペアリング|粒あんとコーヒーのやさしい重なり

買うなら|まずは粒あん、次にあんバター

喫茶叙景文 揚げどら焼きの温度


店舗概要
- 1 住所:
-
東京都清瀬市元町1丁目13-1 清瀬ECビル1F
- 2 アクセス:
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―: 西武池袋線「清瀬駅」北口から徒歩約3分
- 3 営業時間:
-
― 月・火・水・土:11:00 〜 17:30
金曜日:11:00 〜 15:00 / 17:00 〜 21:00(夜営業あり)
定休日: 木曜日・日曜日(※7月・8月は火曜日も休みなど、季節により変動あり) - 4 備考:
-
・目の前で焼く、熱々のどら焼き
注文後に銅板で1枚ずつ焼き上げる、焼きたてのどら焼きが名物。
ハチミツが香る生地に、北海道十勝産小豆などを合わせた優しい味わいが特徴。定番の粒あんのほか、日本
酒どら焼きなどの創作メニューもある。
・こだわりのキーマカレー
地元の新鮮な野菜を使った、辛さ控えめでコクのあるキーマカレー。
自家製の福神漬けや、特製人参ドレッシングのサラダが添えられ、食事利用もしやすい。
・大人も楽しめる隠れ家空間
店舗は小金井街道の踏切近く、少し奥まった場所にある小さなカフェ。
金曜夜などはバーのような雰囲気になり、テキーラなどのお酒も楽しめる。 - 5公式サイト:










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