東京ビッグサイトの南展示棟。SCAJ2026の会場には、焙煎豆の芳ばしい香りが漂い、
各地のロースターが自慢のコーヒーを紹介していた。
その中で、ひときわ鮮やかな色彩を放つブースが目に留まった。
赤とピンクを基調とした展示台には、苺のイラストが描かれた箱やドリップバッグが並ぶ。
コーヒーの展示とは思えないほど華やかで、
まるで洋菓子店のショーケースを眺めているようだった。
その名は、ハシモト珈琲「魅惑の果実」。
本物の苺を使った、これまでのコーヒーとは一味違う香りの体験を届けるブランドだ。
今回、会場で体験したのは試飲ではなく、コーヒー豆そのものの香りを確かめるテイスティング。
そこで感じたのは、想像以上に鮮明な苺の存在だった。
もし苺そのものでコーヒーを作ることができたなら、きっとこんな香りになるのだろう。
そんな不思議な感覚から、今回の珈琲巡礼は始まった。
第一章|ハシモト珈琲「魅惑の果実」とは
「魅惑の果実」は、ハシモト珈琲が展開する本物の苺を使用したコーヒーブランドだ。
最大の特徴は、一般的なフレーバーコーヒーのように焙煎後の豆へ香料を加えるのではなく、
コーヒー生豆を本物の苺に浸漬する独自の製法にある。
果実の香りを取り込んだ生豆を焙煎し、
苺の華やかさとコーヒー本来の味わいを両立させることを目指している。
この製法に合わせた焙煎方法の研究には、約2年間を費やしたという。
苺の香りを強く表現しようとすれば、コーヒーとしての風味とのバランスが難しくなる。
反対に、焙煎の香ばしさを前面に出しすぎれば、果実の繊細な特徴が隠れてしまうかもしれない。
だからこそ、単に珍しい素材を組み合わせるのではなく、
果実とコーヒーが一つの飲み物として成立することに価値がある。
会場で担当者さんが紹介してくださったのは、苺ならではの爽やかさと甘酸っぱさを楽しめるコーヒーだった。
その説明を聞きながら、コーヒーの可能性は産地や焙煎度、精製方法だけにとどまらないのだと感じた。
一粒の豆に、もう一つの果実の個性を重ねる。
「魅惑の果実」は、そんな新しい香りの楽しみ方を提案している。

第二章|六年前の出会いが生んだ、苺のコーヒー
取材では、このユニークなコーヒーを始めたきっかけについても伺った。
担当者さんによると、最初の出会いは取材時点からおよそ6年前。
もともとコーヒーが好きで、海外のサイトを通じてさまざまな商品を探していたという。
そこで偶然見つけたのが、苺を使ったコーヒーだった。
興味を抱き、すぐに個人輸入して取り寄せてみると、
その味わいは非常に面白く、強い感動を覚えたそうだ。
そして、その驚きを自分だけのものにしておくのではなく、
多くの人に届けたいと考えたことが、現在の活動につながっている。
コーヒーの世界には、産地を深く探究する人、焙煎技術を磨き続ける人、
生産者との関係を大切にする人など、さまざまな作り手がいる。
ハシモト珈琲の場合、その出発点にあったのは「こんなコーヒーがあるのか」という純粋な驚きだった。
一度の出会いから生まれた感動が、研究と商品開発を経て、今では多くの人が手に取れる商品になっている。
その歩みを知ると、目の前に並ぶ苺柄のパッケージも、単なる可愛らしい商品には見えなくなってくる。
誰かの心を動かした一杯が、今度は別の誰かの心を動かしていく。
その連なりこそ、このブランドの原点なのだろう。
第三章|香りのテイスティング、苺が宿る珈琲豆
今回のSCAJ2026では、コーヒーの試飲ではなく、豆の香りを直接確かめる体験をした。
展示台には、来場者が自由に香りを試せるよう案内が置かれていた。
そこで感じた第一印象は、実に明快だった。
まさに、苺そのもの。
コーヒー豆から感じる香りであるはずなのに、意識の中に浮かんでくるのは、熟した苺の甘酸っぱい存在感だった。
通常のコーヒーでも、品種や精製方法によってストロベリーを思わせる香味が現れることはある。
しかし、今回の印象は、それとは少し異なっていた。
「苺のようなニュアンスがある」というよりも、
苺そのものがコーヒー豆の中に入り込んでいるような感覚だった。
もし苺でコーヒーを作ることができたなら、こんな香りになるのかもしれない。
その表現が、最も近いように思えた。
単に表面へ香りをまとわせたような印象ではない。豆そのものから苺の存在が感じられ、
果実とコーヒーの境界が曖昧になるような、不思議な体験だった。
もちろん、今回確認したのは香りであり、抽出したコーヒーの味わいではない。
実際の酸味や苦味、口当たり、余韻については、今後飲む機会があれば改めて確かめてみたい。
それでも、香りだけでここまで印象に残るという事実は興味深い。
コーヒーの楽しみは、舌で味わう瞬間だけではない。
豆の香りを確かめ、抽出を待ち、カップから立ち上る香りに触れる時間も、その魅力の一部だ。
今回のテイスティングは、香りだけでも一つのコーヒー体験が成立することを教えてくれた。

第四章|苺をまとうパッケージと、新作「Cute」
「魅惑の果実」のもう一つの特徴は、思わず目を引くパッケージデザインだ。
展示台には、赤とピンクを基調とした箱が整然と並び、
表面には苺の断面やコーヒー豆のイラストが散りばめられていた。
取材では、パッケージのデザインも担当者さん自身が手がけていると伺った。
特に女性の来場者に手に取ってもらう機会が多いと感じているそうで、
コーヒーに詳しくない人でも興味を持ちやすい見た目が印象的だった。
今回の会場には、新作として紹介されていた**「魅惑の果実 Cute」**も並んでいた。
通常商品の深みのある赤色とは異なり、淡いピンクを中心とした可愛らしい装い。
白い帯に記された「Cute」の文字が、苺柄の箱をより華やかに見せていた。
また、ブースには**第39回グルメショー春2026「審査員特別賞」**の受賞を示す盾も展示されていた。
会場で確認できたドリップバッグ商品の価格は、単品490円、3袋入り1,470円、6袋入り2,940円(税込)。
いずれも取材時点の表示価格である。
贈り物として選びやすいデザインでありながら、中身には独自の製法と焙煎研究が込められている。
可愛らしい箱の中に、作り手の探究心が詰まっている。
そんな対比も、「魅惑の果実」の魅力の一つだ。
第五章|苺の先に広がる、果実コーヒーの可能性
現在の商品展開について尋ねると、取材時点では苺のコーヒーを中心に扱っているとのことだった。
しかし、構想は苺だけにとどまらない。
担当者さんからは、ピーチ、マンゴー、ブラックベリー、メロンなど、
ほかの果実を使ったコーヒーも開発・検討しているという話を伺った。
それぞれの果実には、異なる香りの個性がある。
桃であれば柔らかく華やかな香り、マンゴーであれば濃厚なトロピカル感、
ブラックベリーであれば深みのある果実の印象が思い浮かぶ。
もちろん、それらが実際にどのようなコーヒーとして完成するかは、今後の研究次第だ。
それでも、今回の苺の香りを体験したあとでは、ほかの果実との組み合わせにも自然と期待が膨らんだ。
産地や精製方法の違いを楽しむコーヒーとは、また別の入口から広がる世界。
「魅惑の果実」は、コーヒーを普段あまり飲まない人にも、
新しい興味を持ってもらえる可能性を感じさせるブランドだった。

第六章|チョコレートと焼き菓子、苺の香りを楽しむペアリング
取材では、コーヒーと合わせたいお菓子についても伺った。
担当者さんが最初に挙げたのは、チョコレートだった。
苺とチョコレートは、菓子の世界でも親しまれている組み合わせだ。
果実の甘酸っぱい香りと、カカオの深みが重なることで、互いの個性を引き立てることが期待できる。
続いておすすめされたのが、バターを多く使ったクッキーやビスケット。
シンプルな焼き菓子の香ばしさやバターのコクは、
苺の香りを主役にしながら楽しむのに適していそうだ。
さらに、クリーム系のケーキとの相性についても話してくださった。
特に印象的だったのは、お菓子とコーヒーを別々に味わうだけでなく、
口の中で一緒に合わせる楽しみ方をすすめていたことだ。
苺の香りが豊かなコーヒーだからこそ、シンプルな菓子でも十分に組み合わせを楽しめるのだろう。
今回、抽出したコーヒーを試飲したわけではないため、
これらのペアリングは担当者さんから伺った提案として紹介しておきたい。
いつか実際に一杯を淹れる機会があれば、まずはプレーンなバタークッキーと合わせてみたい。
苺の香りと焼き菓子の芳ばしさが、どのような余韻を生み出すのか。そんな小さな楽しみが一つ増えた。
再現TIP|自宅で楽しむ、香りの時間
喫茶叙景文|苺の香りが、珈琲の時間を染める
店舗概要
- 1 住所:
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販売形態: オンラインショップ(ECサイト)
- 2 備考:
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【焙煎・ブレンドへのこだわり】
総合プロデューサー兼焙煎士のハシモトソウタ氏が、京都のスペシャルティコーヒー店での修業経験を活かし、約2年にわたる研究を経てブレンド構成と焙煎レシピを完成。希少なコーヒー豆の個性を最大限に引き出している。
【イベント実績・受賞歴】
SCAJでの初披露時には1日1,500杯以上を提供するほどの人気を集めた。さらに、第39回グルメショー春2026の新製品コンテストで審査員特別賞を受賞。
【パッケージ・ギフト】
苺とコーヒーの世界観を表現した、華やかで高級感のあるパッケージも魅力。『Ray』『anan』『婦人公論』などの雑誌でも、ギフトや手土産として紹介されている。
【限定コラボレーション】
2026年10月には、オンラインストアで先着販売。限定ボイスやコレクションカードなどの特典を用意し、コーヒーの新しい楽しみ方を提案している。
- 3公式サイト:










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